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底つき

BOZZ記。アルコール依存症の記事、かなり反響があった。

〇〇薬局 榎本です。
今回のアルコール依存症の記事はとても興味があります。
私自身がアルコール依存症でした。14年くらい断酒をしています。
私は「底つき」が必要だと思います。
でもその底が人によって違うので、先に死んじゃう人もいますから厄介です。
結局、その人が心の底から、「誰でもいいから、この酒地獄から助けてくれ~!」って叫ばないとアルコール依存症からの回復の第一歩が始まらないと思います。
記事。楽しみにしています!!
もしかしたら、私なんて想像できないすっごい回復方法があるのでしょうか?




底つき。


アルコールのおかげでこれ以上無いという地獄に落ちること。家族に逃げられ、会社を追われ、友人に見放され、近くの病院に行っても相手にされず、家の食料も底をつき、あるのは目の前の大関ワンカップや缶チューハイだけになった状態のことを言う。通常、ここで酒を飲んで寝たら間違いなく死ぬ、という恐怖を味わって、初めてアルコールが断てる。

何故、私や私の読者が一発で酒を止められたのか。本当は種明かしをすると効力が薄れるが、アルコール依存症に苦しむ家族からのメールをいくつか頂いたので、今回は特別に書き記しておこう。
前回書いた特別な病院。一歩入った途端、大きな衝撃を受ける。20人弱の待合室は

廃人だらけ。

この光景は息をのむほど強烈だ。まるで芥川龍之介の蜘蛛の糸の世界。ボサボサに白髪が伸び、腰を折って歩く老婆。骸骨のような老人、声を出して喘ぐ太った男、口から泡を垂れ流し、狂人のように辺りを見回す女。何度も床に転び、その都度必死で起き上がる中国人。
『こうなったら人生終わりだ』まともな思考が少しでも残っている人間なら、誰もが恐怖を感じずにいられない。

そして、先月、山下さんを同じ病院に連れて行った。待合室、どうだったのかと尋ねると、
「あ。はい、別に…」
「何か違和感は感じなかった?」
「え、ええ…」

彼も廃人だった。

昨晩も飲み、どこかで鼻から顔面を強打していて、顔半分が赤黒く変色していた。私が指摘するまで本人は気付かなかった。アルコールは痛みさえ感じさせない。
最初のショック療法が全く効いていなかったので、このまま毎日のきつい通院に耐えられるのか、大いに不安だった。
毎日9時に病院へ行き、1時間以上待合室で待たされたあと、2時間の点滴、昼過ぎから2度目の点滴、2時間のカウンセリングと講習。
私のように「あなたは依存症じゃないから薬だしとくわ。酒飲みたくなったらこれ飲んで」とは別世界の重い治療。

でも、山下さんは何とか凌いだ。あともう少しで治療の一ヶ月が終わる。当然酒は一滴も飲んでいない。

 

 

 

 

ここからが本当の地獄だと彼は知らない。

 

 

 

 

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