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猫カフェ「MOCHA」のパルボウイルス感染問題、その後どうなった?

今夏、猫カフェ「MOCHA」立川店でパルボウイルスの感染が確認され、店の猫たちが相次いで死亡するという出来事があった。本件のその後の状況を扱ってほしいとの依頼が、このたび読者から寄せられた。一連の報道後に出てきた問題や、不明なままとなっている事柄があるというのだ。

パルボウイルスは感染力が強く、特に子猫の死亡率は高い。そのため、今回の件でも、カフェで飼育されている猫の検査や店内の消毒の徹底が必要とされた。また、ウイルスに感染した猫と接した人を介して、他の猫にも感染が拡大する危険性もある。そうした理由から、立川周辺だけでなく、都内及び全国各地の猫カフェで、本件への対応がなされた。

それらの店は、7月以降にMOCHA立川店を訪れた人の入店を禁止するという措置をとった。ところが、パルボウイルス感染問題を知らずに、あるいはこの問題は知っていたが他店での入店禁止措置を知らずに、MOCHA立川店を訪問した結果、他店を利用できなくなってしまったと、Twitter等で告白している人々もいる。

MOCHA立川店での問題発覚後、系列店も含めて猫の検査や店舗内の消毒が行われ、その結果については店のHPにて報告がなされた。人々から寄せられた各種の疑問に対する回答も、掲載している。一例として、系列店から立川店に移動させたことがある3匹の猫は、検査の結果、ウイルスに感染していないと判明し、元の店舗に戻したという。

8月の時点での報告によると、立川店で飼育の猫に関しては、生存している18匹のうち14匹は、検査と診断によって、健康であることが確認されたという。残り4匹のうち1匹は、検査では陰性となったが、隔離施設への収容で体調不良になり、療養中。他の3匹は陽性の結果が出たが、命に別条はなく、回復に向かっているとされる。

だが、これら4匹のその後について、以降の報告がなされていない。また、MOCHAでは「卒業」していく猫には「卒業式」というイベントが行われるが、病気等で死亡した場合には、その告知さえなされてこなかったと、情報提供者は指摘する。店のHPから当該の猫に関する情報も削除され、人々が店に問い合わせて死亡が判明した事例もある。

当サイトでは、MOCHAを運営する株式会社ケイアイコーポレーションに上記の点を尋ねた。立川店ならびに系列店を利用した客を経由して、猫がパルボウイルスに感染したという被害報告は、現時点までに同社には1件も寄せられていないという。そうした被害が発生した場合には、同社で治療費を負担することをHPにて告知している。

8月の時点で「健康」とは診断されなかった猫は引き続き療養中であると、担当者は説明した。保菌状態であるゆえに、ワクチンの接種による治療が行われているそうだ。現在、それらの猫はスタッフの自宅で飼育されているとのこと。事態が好転しない場合は、これらの猫を店に戻すことはできないという。

続いて、店の猫が死亡した場合に、その猫の情報がHPから削除されても死亡についての告知がなされない理由を聞いた。担当者曰く、「死亡」というのはデリケートな問題であり、その猫の面倒を見てきたスタッフたちの様々な思いもあることから、HPには関連の告知等は掲載しない方針をとってきたという。

東京都動物愛護センターによると、パルボウイルスに感染した猫と接した人が、手洗いやうがいが不十分であった場合、他の猫に感染する可能性がある。ただし、手洗いやうがいをすれば「全く心配ない」、「絶対に安全だ」という判断は成り立たないという。他の猫への感染が心配であれば、獣医に相談するなどしてほしいとのことだった。

※モザイク加工は当サイトによるもの

 

高橋 

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