飛び降り自殺で巻き込まれた女子大生と男子高校生

古川賀子さん（１９）は自分が死んだことも知らないだろう。
男子高校生は目を瞑っていただろうから、賀子さんは眼中に無かった。
巷で「あと何秒か賀子さんがどちらかに動いていれば死なずに済んだのに」と言う。
例えば車の事故もそうだ。反対車線から脇見をしてはみ出してきた車と正面衝突して一家全員死亡。たった１秒で生死が分かれる。しかし、偶然ではない。互いがその道を無意識に通っているのではないからだ。脇見をしたのも理由があったのだ。
賀子さんは待ち合わせのためヘップファイブにいたのだろう。事務所が近い私も何度か待ち合わせに使っている場所だ。飛び降りた男子高校生はどうか。何度も下見をしていたはずだ。どうせ死ぬのなら派手な場所でと心に決めていたに違いない。この世（人）に対する激しい恨みが窺える。