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『家賃ゼロ円』岡田斗司夫

人口が減っているのに、アパートやマンションの供給が止まらないそうです。
2015年5月11日(月)放送の「クローズアップ現代」では、この不思議な現象をサブリース業者の不正直な商売と分析しています。

大家が建てた物件を業者が一括借り上げするのが「サブリース」です。
業者から長期間家賃収入を保証すると持ちかけられ、アパートを建てた大家たち。
しかし数年、早ければ数ヶ月で「家賃の見直し」を迫られるケースが激増しています。
業者たちは不動産屋なので、実はアパートが建った時点で利益が出ています。
なので、いくら家賃が下がろうが困りません。


サブリースに限らず、日本の不動産投資は明るいと言えるはずがありません。
だって人口は減少していくんだから、これから先、部屋も土地も余るに決まっているからです。

行き着く先は家賃の大幅な下落しかない。
では、そういう社会にはどんな「未来」が待っているのでしょう?
ここでひとつ、大胆な未来予測をしてみましょう。

「家賃ゼロ」の世界。
スマホで検索すると、あなたはこんな魅力的な提案を見つけました。

家賃はゼロ円です!

しかし、その下には、こんな気になる「条件」が・・・

でも2年間はずっと住んでください。
あと仕事は、以下の選択肢から選んで、2年間は辞めてはいけません。
「すき家」「ユニクロ」「マクドナルド」・・・
仕事で受け取るギャラは円ではなくクーポンで、以下のショップでしか買い物できません。「ファミマ」「西友」・・・

よくよく考えてみれば、いつも外食したり買い物したりするお店ばかりです。
ならば、家賃ゼロ円を保証してくれるなら、お得じゃないの?
そう考えたあなたは、「家賃ゼロ円タウン」への引っ越しを決意しました。


携帯の2年縛り契約と同様の、こういった家賃ゼロ円生活プランは経済的には充分に可能です。
受け取る賃金が現金でない、などの法的な問題は、きっと頭の良い連中が抜け道を考えるでしょう。
いかがですか?
住んでみたいと思いませんでしたか?


一見便利で安全に見えるけど、これは大昔の「住み込みタコ部屋」と同じです。
みんながやりたがらない仕事に縛られて、狭い共同住宅に押し込まれて、買い物は「親方が経営するお店」でしか買えない。
それがタコ部屋です。

でも、家賃ゼロ円、と言われたら、心が動く人は多いんじゃないかなぁ。
家賃は僕たちの生活でもっともコストがかかる部分だ。 → と、思い込まされています。
不動産を持てば安心、収入がある。 → と、思い込まされています。

この二つの思い込みを使ったビジネス、数年内に出るんじゃないのかなぁ。



岡田斗司夫

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