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『サラリーマンと学生が、日本の軍国イメージを増大させている?』岡田斗司夫

先日、久しぶりに日本に来た英国人の友人と焼き鳥屋で食事した。
ギネスよりも日本のビール、それもアサヒスーパードライが大好き、というヘンな英国人だ。
もっとも、英国人なんて半分が変人、のこり半分は変態なんだけど。

しばらく話してると、彼の大好きな「中国・韓国の悪口」になる。
「日本と英国は似ている。どっちも大陸文化の近くの島国で、大陸や半島に住んでる野蛮人に苦労しているから」
というのが口癖だ。

僕は以前から気になってた話を聞いてみる。

「なぁ、日本の学生の制服ってあるでしょ?」

「ああ、オレも大好きだぞ。セーラー服は世界遺産!」

「いやそっちじゃなくて、男子の詰め襟」

「あれはセンスがないなぁ。オックスフォードやケンブリッジみたいにマントだけにすればいいのに。そういえば知ってる? オックスフォードでは男子がスカート履くのも制服として認められるようになったんだよ」

「え! し、知らんかった・・・。いつの話?」

「もう3年ぐらい前かなぁ」

「さすが変態大国だなぁ。って、いや、そういう話じゃなくて。日本の男子制服の詰め襟って、軍国主義の象徴に見えるの?」

「ああ、そういう話か。う~ん、そういう人もいるね。英国や日本みたいに学校制服がある国は珍しいでしょ?あったとしてもエリート校だけじゃん。
でも日本ではエリート校とか関係なく、詰め襟の学生服が多いよね」

「あれ、海外から見たら『ほら、日本は口ではいろいろ言うけど、学校教育ではいまだに軍国主義なんだ』と見えるの?」

「いや、教養人でそんなこと考えてる人はいないでしょ? でも大衆紙とか読んだり、テレビしか見ない一般層にはそういう人、いるかもね。あとは中国人とか」

「あ、またそっちの悪口だ」

「それよりは、サラリーマンのネクタイのほうが問題だよ」

「え?日本のサラリーマンの?」

「レジメンタル・ネクタイってあるでしょ?日本のサラリーマンの99%が締めてる斜めストライプのネクタイ。あれ、英国人から見たら軍属の象徴なんだよ」

「えええっ!」

驚いた僕に彼が言うには、

1.レジメンタル・ストライプはもともと英国陸軍のシンボルマーク。連隊ごとに色や柄が違い、それが連隊旗になっている。

2.なので、斜めストライプのネクタイとは出身校や陸軍での立場をあらわす時に使うのが多い。男性がビジネスでレジメンタルを締めていれば、「家柄」「軍属」「出身校」のどれかを表している、と自動的に翻訳して受け取ってしまう。

3.日本に来て、レジメンタル・ストライプのネクタイ率にびっくりした。軍属?トクガワ時代からの家柄? なんのアピールだろうって。

「いやいや、日本だけじゃなくてアメリカ人もレジメンタル締めてるでしょ?彼らを見てもそう思うの?」

「アメリカは田舎者の成り上がり国だから、家柄の象徴のはずないじゃん(笑) それに比べて日本は英国と同じく歴史と格式の国だから、そうなのか、と思っちゃったんだよ」

ここまでいくと、もう何をしても「日本は軍国主義」の証拠になっちゃうよね。
あー、まいった。


岡田斗司夫

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