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『買ってはいけない』は未だに買ってはいけないのか?

1999年に『週刊金曜日』から発行され、190万部を超すベストセラーとなった『買ってはいけない』という本があります。健康に関係する衝撃的な内容から、親元離れる子供に持たせるという話すら聞ききました。皆さんも、持っている人は多いのではないでしょうか?

 

消費者の安全性を高めるための調査・研究を行い検証していることが書かれている内容で、利益優先の大企業に対抗する為には正確なデータを集めるため、気になる企業製品の成分分析や、環境ホルモン(ダイオキシンなど)、電磁波など環境破壊を助長している物質などについて、専門の研究機関や研究者に調査・分析を委託し、その商品の危険性や代替品としてより安全性の高い商品の紹介などをしています。
当時この本を批判する本が発売されるなど一代ブームを巻き起こしました。調査員の中にも、この本の内容を真に受け、取り上げられている商品は避け様としていた者もいたとか。


その『買ってはいけない』で紹介された商品で、本の発行から4年が経っても、当時と変わらず販売されている商品は本当に安全なのか、それとも元々問題点などはなかったのかについて、会社にあった身近なものを販売元に尋ねてみました。


1.食物に触れさせておくだけでも潜在的危険性を否定できないと紹介されていた「サランラップ」

このサランラップに使用されているポリ塩化ビニリデンという素材には塩素が含まれており、燃やすと超毒物のダイオキシが発生する恐れがあるとされています。
ダイオキシンには発がん性や催奇形性(胎児に障害をもたらす毒性)があり、きわめて分解しにくく環境中に放出されれば巡り巡って食物連鎖の頂上に位置する人間に蓄積される恐ろしい科学物質。
本で紹介されて6年たった今も、原材料は未だに改善されておらずそのままだったので、サランラップ販売・消費者相談室に、安全性などを聞いてみました。


―「買ってはいけない」と言う本をご存知ですか?

はい、知ってます。

―「買ってはいけない」の影響はどうでしたか?

この本が出版された当時、クレームはありませんでしたが、実際に本の内容は本当なのか?など確認の電話が何件かかかってきました。

―ではこのサランラップに使用しているポリ塩化ビニリデンからダイオキシンが発生するとされるのはご存知ですよね?

はい。 しかし問題の物質は燃やした場合に発生しますが、燃やしたからと言って必ずしも発生するとは限らず、その時の状況によりますので答えられません。

―絶対発生しないとは限らないのに、何故、この素材を使用しているのですか?人体に与える影響や安全性についてお聞きかせください

サランラップ自体に環境ホルモンは含まれておりません。ラップとして使う分には体に及ぼす悪影響はございません。
この本を読んでどう思われたかはお客様の判断にお任せいたしますが、責任をもって商品として販売致しております。


2.抜け毛増加と精子減少を呼ぶシャンプー「メリット」

殆どのシャンプーには合成洗剤が配合されておりますが、メリットには洗浄力が強力な陰イオン系の合成界面活性剤のポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩が使用されおり、メダカもすぐに死滅してしまうほどの毒性を持ち、皮膚障害や内臓障害などを起こす恐れもあります。
洗濯用・台所用と変わらない合成洗剤で洗髪しているようなもので、男性の精子の数が少なくなった原因にもあげられております。
花王のお客様相談室にメリットについて尋ねてみました。


―メリットを使うと抜け毛が増えた!ってよく聞くのですけど、なぜですか?

メリットシャンプーは発売して40年になりますが抜け毛や髪が細くなるということは絶対ありえません。それは年齢や洗髪の仕方に問題があるのではないでしょうか?
抜け毛を起こすシャンプーが40年も残る訳がありません!

―使い続けると生理的に影響がでるのは、なぜですか?

メリットの成分が皮膚から吸収され精子が減少することは、一切ありません!

―「買ってはいけない」の影響はありましたか?

今はまったくありませんが、当時、問い合せが1日2件程度ありました。
気になるのなら、無理をして使用する事は無いですよ!メリット自体に問題などないですがそれでも安心できないのなら、石鹸を使ったらどうですか?それでも心配なら病院で相談してみてはどうですか?


かなり強気の口調だった相談窓口の渋江さんでした。


3.ファイトも出ないスタミナ・ドリンク剤として取り上げられた「リポビタンD」

このドリンク剤についてこんな実験結果があります。
ラットを使いラットAにはリポビタンDを飲ませ、ラットBには水道水を飲ませ水槽の中でどれだけの時間泳げるか実験を行いました。
結果は水道水を飲ませたラットBの方が長時間泳ぎました。水より劣っているから驚きです。
ドリンク剤の原価は5円くらいだという話もありますが・・・。
 それでも疲れたサラリーマンはドリンク剤を飲んでいます。一種の自己暗示なのでしょうか?

大正製薬㈱おくすり119番室にリポビタンDについて聞いてみました。


―「買ってはいけない」によって何か影響は受けましたか?

読者からの問い合せ程度の影響でした。この本について逆に反論すると本の売上が上がったりするので、あえて放置しておりました。

―リポビタンDを飲めば元気が出るって本当ですか?

はい、出ます!
若者からお年寄りまでファイト一発!とはいきませんが、元気になれます。

―リポビタンDを毎日飲んでいても、調子がでないんですけど?

それは、お体のどこかに異常があるのではないですか?
リポビタンDは厚生労働省から認められており、現在もお客様にとてもご好評です。


総括として・・・旭化成は環境ホルモンについて危険性を知った上で、生活に便利な製品を提供する事にこだわっている印象を受けました。
花王はクレーム処理に慣れているベテラン風で、「無理して使ってもらわなくても結構です」と、とても強気な印象を受け、大正製薬はCMどおりファイト一発を売り文句にしており、本の内容などおかまいなしという感じですね。

知らず知らずのうちにストーカーのように付きまとって生活の中に土足で入り込んでくる化学物質や食品添加物たち。買ってはいけない物を判断する為にメーカーを信じるか、本を信じるかはあなた次第。


しかし、この「買ってはいけない」に載っていることを全て信じると、何を食べれば良いのだ?という疑問は残りますが―――

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