全国で相次ぐ偽札事件。
中学生が捕まり、高校生が捕まり、今週はおじいさんが捕まったというニュースが流れた。
そのおじいさんとは、中田悦弘容疑者73歳。
元印刷工の職人である。
中田容疑者は自らの技術を駆使し、1万円札、5千円札を自宅で偽造。
昨年11月に弁当屋で使用し、今月に入って逮捕されたということだ。
偽札には透かしと視覚障害者用識別マークも入っていたという。
▲褒められないけど、まさに職人芸。(報道された写真より)
自宅にはどれほどの設備が整っているのだろうか。
偽の旧1万円札二百数十枚、旧5千円札百数十枚が見つかったという神奈川県秦野市の容疑者宅を訪問。
犬がキャンキャン吠える扉の向こうから、容疑者の奥さんと思われる70歳ほどの女性が現れた。
記者:あの~、偽札の件でお話を伺いたいのですが。
女性は「あ? あ?」と聞き返すような素振りをしたが、次の瞬間、何かを察知したのか「ああ゛ぁぁ~」と眉間に皺を寄せると急にドアを閉めてしまった。
駅から徒歩15分ほど、坂道を上る途中にある、ごく普通の住宅街にある一軒家。
最近はパソコンに画像を取り込むなどして印刷する手法が増えているが、職人の腕があれば普通のご家庭でも透かし入りの偽札が作れてしまうのか。
製版屋で10年以上のキャリアを持つAさんに話を聞いた。
「最近の偽札はパソコンなどを使ってますが色味が本物と違います。だからどさくさに紛れた使い方しか出来ません。しかし、製版屋の技術やセンスを駆使すれば本物と同じ色味の物が出来るのです。透かしは製造後に入れるものだそうですが、私はその術を知りません。紙は国が和紙の配合等、特別な物を独自に発注、製造させていると聞きます。個人での入手はまず不可能でしょう」
Aさん自身は「100%完璧な物は出来ないが見た目で完璧な物は可能だ」と言い切る。
ただ、透かしの入れ方まではわからないということだから、中田容疑者がよほどスペシャルな職人だったと予想ができる。
「その昔、偽札といえば製版屋が捕まっていましたが……」
今は素人が捕まる時代である。
ネットやアングラ雑誌等では偽札の作り方が載っていたりもするが、お金の偽造は重罪。
記者もAさんから色々聞いたけど、探偵ファイルは正義の味方なので、全ては載せられません。
職人が作っても捕まるわけだから、真っ当な人生を送りたいあなたはそういったものを見たり聞いたりしても決して真似しないように。
カグウェル