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今更? アスベスト問題

今、何かとニュースで騒がれているアスベスト問題。

しかし、建築業界では今更なお話です。今回は、建築業界で働く50歳台のベテラン職人に話を伺いました。

※その前に、アスベスト基本知識



アスベストとは、天然にできた鉱物繊維のこと。アスベスト鉱山で採掘した原石から繊維を取り出して製品化する。

熱、酸、アルカリに強い。しかも摩擦にも強く、ピアノ線よりも強いと言われるほど切れ難い。 丈夫で変化し難く、柔軟で加工しやすく、しかも安価。 しかし、その耐久性の故、いったん吸い込んで肺の中に入ると組織に突き刺さり、長い間留まって何十年か経ってから「肺癌、悪性中皮腫」などの病気を引き起こす。現在、殆どの国が使用を禁止。日本では1975年に吹き付けアスベストは禁止され、平成16年に一部に例外を除いて禁止に。しかし、戦中・戦後と国が推奨したこともあり盛んに行なわれた(※)為、まだアスベストを使用した建築は残っていると言われる。

※建築断熱材、電気絶縁材、自動車ブレーキなどに広く使用されてきた

その方に聞きますと、「アスベストなんて昔はマスクも何もなしで普通に削ったりしたもんだ」とのこと。

他にも、

「監督も何も気にせず、あれ剥がしといて~なんて言ってたよ」「アスベストを吹付けてるのと同じ場所で平気で作業をしてた」

このような確かに今更なコメント。


また、現在はアスベストを撤去する工事をする業者もいますが、その中には人材派遣会社のアルバイトを使う所もあるとのこと。

アスベスト撤去の際には、養生(ビニールのシート等で、飛散防止の区画等を作ること)をするのが基本なのですが、それをアルバイトにやらせる場合もあるとか。

実際にあった話として、某有名ゼネコンの監督が改修工事の際に大工さん(60歳ぐらい)が工事に入った場所にアスベストが有ったに関わらず、そのままの状態で作業をさせていたとか!(本来ならばアスベスト除去をしなければいけない)


その監督は、苦言を呈する部下にこう言っていたそうです。


「30年後にはもう寿命だよ」


後日、その大工さんは、喉の痛みと咳きが酷くて現場を欠勤。

その後のアフターケアーは勿論なし。

こんな事がまかり通るのが建築業界の悪い体質でしょうか。

戦中・戦後に使われていたものがどんどん取り壊しなどで廃棄になっている現状と、20~40年と言われる潜伏期間が芽吹く今の時期、アスベスト被害はまだまだ深刻化して行きそうです。

職人さんから、今現在古いマンションにお住まいの方々へ一言アドバイスを頂きました。

玄関ドアの横などにあるガスメーターなどが入っているボックスを開けてみてください。

そこに繊維状のものが付着していたらもしかしてアスベストかも・・・?

 

山木

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