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岸田政権と日本経済   ~岸博幸です

スパイ日記をご覧の皆さん、はじめまして。
慶応大学大学院教授の岸博幸です。

BOZZと知己を得て、ここに記事も書かせていただけるとのことなので、テレビで言わない私の本音をぶちまけさせていただきます。よろしくお願い致します。


岸博幸

 さて、皆さんから見て、岸田政権ってどう映っているでしょうか。私から見ると、財務省と経産省が官邸を支配する官僚主導政権になっていて、今のままでは日本経済が低迷を脱するのは無理と思っています。その典型が、政府が4月25日に発表した物価高対策です。今の日本経済には、モノの値段がどんどん上がるのみならず、そもそもずっと景気が悪い(経済の需要が供給より17兆円も足りない!)という二つの問題があります。

 なので、マジメに対応するなら、輸入物価の上昇につながる円安の是正に真剣に取り組むべきだし、低所得世帯や困窮する中小企業などへの給付を増やして財政出動の規模も大きくすべきです。
それなのに、対策で実現したのは、低所得の子育て世帯だけへの給付金とガソリン価格補助くらい、補正予算での財政出動も2兆7千億円だけです。

 なぜこんなショボくなったかというと、財政出動を最小限に抑えたい財務省が、参院選前の補正予算に反対の自民党と賛成の公明党の主張足して2で割って対策をまとめたからとしか考えられません。

 今年後半も利上げやロシア/中国ファクターで世界経済の減速傾向も続くでしょうから、こんな経済対策だけでは今年後半の日本の景気はかなり厳しくなりかねません。早めにガードを高くしてディフェンスをしっかりすることが必要かと思います。

ご質問があればどんどんどうぞ!

岸 博幸(きし ひろゆき)
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授、RIZIN(格闘技団体)アドバイザー。専門分野は経営戦略、メディア/コンテンツ・ビジネス論、経済政策。元経産官僚、元総務大臣秘書官。元内閣官房参与。趣味はMMA、DT、VOLBEAT、NYK。

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