5億台湾ドル(22億5000万円)の資産を持つ18歳の高校生が、ほぼ面識の無い26歳の男と突然婚姻届を出し、その2時間後にその男の住むマンション10階の部屋から転落死。
……という台湾を震撼させた衝撃のニュースが5月18日に報道された。
テレビドラマや漫画でも、こんなに盛り込みすぎの粗いシナリオありえないよね。
事件が起きたのは5月4日木曜日の午前中。
高校生の姓は頼(ライ)、26歳の男の姓は夏(シャー)。
頼くんの父親は事件3日前の5月1日に亡くなったばかり。
死期が迫っているのを知っていた父親頼氏は、生前に所有する不動産を頼くんに譲ろうと、10年来の取引のある司法書士に手続きを依頼。手続きが終わった後すぐに他界した。
そして、その司法書士の姓は、『夏』。
男子高校生である頼くんと突然同性婚した夏は、
その司法書士の息子だったのだ。
しかも大学の法科を出て父親の事務所で助手をしているので、頼くんの資産状況は把握できる立場にあった。怪しい……。ちなみに、頼くんと夏(息子)は生涯で3度しか会っていない。
1回目は頼くんの父親が財産の事で関係者を集めて話し合った時。
2回目は5月3日、父親の葬儀の時。
3回目が翌4日、突然結婚し墜落死した当日。
そもそも頼くんは最近クラスメートの女の子への片想いをこじらせ、高校でカウンセリングを受けたという事実があり、いわゆる「ノンケ」だったと思われる。18歳の現役高校生であったという年齢や立場を考えても、夏と突然の同性婚に到った事は不自然すぎる。
母親によると、5月4日朝、夏(息子)が頼家を訪れ「財産管理について教えてあげるから、一緒においで」と息子を連れ出したのが生きている息子を見た最後だとか。
その後、婚姻届提出に必要な証人サインをした二人が、コンビニで声をかけた面識のない赤の他人だったことも判明。「家族や友人が同性愛に理解がなくて困っているのでお願いします」と頼まれて、同性婚支持者だった彼らは気の毒に思ってサインしてあげた、と。
婚姻届を提出したわずか2時間後、マンションのそばで頼くんが倒れているのを警備員が発見。片腕を骨折していた他はほとんど無傷で血も流れておらず、てっきり行き倒れだと思ったそうだ。
「10階から落ちて、頭が破裂しなかった例は見た事が無い、脊椎、胸骨なども断裂し、大量の出血があるはず」と法医学専門家もコメントしている。転落事故と見せかけて、犯行現場は他にある可能性も?
ちなみに
体内からはアルコールが検出されている。
怪しすぎるでしょ!
もう、とりあえず急いで逮捕して、ゆっくり詰めれば良いんじゃないの!?って思うよね?
ところが、検察は一度は夏(息子)を尋問し、犯罪嫌疑を認めながらも勾留の必要無しと判断。わずか保釈金30万台湾ドル=135万円で保釈してしまった。この金額も5億台湾ドル=22億5000万円がらみの事件の保釈金としては安すぎませんか?しかも、海外への渡航制限もしていないとか。高飛びされたらどーすんの!?
「あまりにおかしい!息子は財産目当てで殺された!」と、母親が弁護士や地元の議員を伴って記者会見を行ない、世間がこの事件を知ったのが5月19日である。事件発生から、すでに15日が経過していた。
それにしてもこの母親、旦那さんと息子をこんなに短期間のうちに相次いで失い、なんて気の毒な。しかし、この一家には過去に色々と複雑すぎる裏事情があり、報道2日目以降にわかってくるのであった。恐ろしい……。
つづく
北山亜紀子