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テレビで話題「極上牛肉」開発の企業、レストランで生肉料理の不正提供疑惑

テレビや雑誌で相次いで取り上げられて話題の乳酸菌発酵飼料「バイオバランス」。これを家畜に与えると、健康状態が改善されて質が向上するという。開発元である株式会社バイオバランスは昨年、東京都港区にレストラン「バイオバランス」をオープン。自社の発酵飼料で育てた牛などを使用した料理を提供して注目された。

このレストランが、生肉の料理を不当に提供していたのではないかと疑われて問題視されていたことが、当サイトの取材で発覚した。同社が昨年Facebookに公開した、「“産”生命の芽生え」と題する料理の画像が、原因の一つだ。昨年6月のイベントでのメニューを紹介する記事にも「牛もも肉のタルタル」とあり、生肉料理の提供を示唆していた。

これらの内容は、既に削除済みである。だが、当サイトではその記録を入手することに成功した。また、Facebookの昨年10月の更新内容で紹介されている、東京新聞の記事にも注目したい。「トリュフと生肉を卵と混ぜて食べる前菜」をレストランで試食したと、記者は書いている。

 

 

 

 

港区の保健所によると、昨年にバイオバランスに対する調査を行ったことは間違いないという。外部から情報が寄せられ、本件を把握したそうだ。加熱調理用の牛肉を生肉のまま提供した疑いがあることを問題視したというのが、その理由だ。保健所では、提供している料理の実態を調べた。

「(表面や側面のみを焼いた、レアの状態で提供する)ステーキ以外は、十分に加熱している」と、店側は回答したそうだ。先述のFacebookの内容は誤解を与える恐れがあると保健所では判断し、店に削除を求めたという。一方、東京新聞の記事で生肉料理に言及していることは把握していなかったと、保健所の担当者は述べた。

バイオバランスの料理には、別の疑惑もある。昨年6月、イタリアの新聞の取材を受けたことをFacebookに記している。そこには当該記事へのリンクがあり、取材時のインタビュー動画も閲覧できる。動画にてレストランのシェフは、店で提供する「バイオバランスビーフ」を「和牛」と繰り返し表現している。

 

 

 

ところが、「バイオバランスビーフ」という名称で提供されていた牛肉は、和牛ではないというのだ。当サイトの取材に応じた人物は言う、「バイオバランスビーフとして出されているものは全て、ホルスタイン(乳用牛)です」。取材したイタリアの記者は、日本語の「和牛」という言葉の指すものを把握しないまま、記事を配信した可能性が高そうだ。

レストランは、昨年末で閉店となった。食の安全や健康を強調するのであれば、生肉の提供疑惑や「和牛」発言は、同社の名誉や信頼を傷つけることにもなり得るものだ。今後、同様の事業を再び展開することがあるならば、人々が安心して食べることのできる料理の提供を期待したい。

 

高橋 

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