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肥満した政治家は「汚職」に関係する

突然ですが、肥満した政治家は「汚職」に関係する確率が高いという学術研究があります。

「イグ・ノーベル賞」を受賞したフランスの研究者Justine Reix(ジュスティーヌ・レイ)によると、肥満した政治家と「汚職」の間には「相関関係がある」(肥満が汚職に関係している)のだそうです。「汚職」というのは、公職にある人がその地位を利用して不正な利益を得る行為を指します。賄賂を受け取ったり、公共契約を不正に操作して私的利益を追求したりするアレです。要は、政治家に占める「肥満」の割合を基準として汚職を図ったところ、「腐敗が深刻な国であればあるほど、その国の政治家は肥満である割合が高くなる」というのが結論です(詳しくは文末の元論文をご覧ください)。

少し研究の中身に入っていくと、ジュスティーヌ博士は「汚職」の出発点は、飲み食いができる場所に招待されることなのだそうです。端的に「汚職」に至るメカニズムを見ると、

 

・政治家がレストラン、料亭などに招待され、たくさん食べ、そしてたくさん飲む

・肥満する

・継続的に招待され飲み食いし続けるため体重を減らすことが難しくなる

 

という、至ってシンプルなものです。これが任期中、長ければ何十年も継続することになります。想像しただけでもかなり不健康だけど、大変興味深い結果ですね。ただ、面白がってばかりもいられません。地方政治が汚職すると深刻な経済的影響となって跳ね返ってくるからです。例えば、役場と政治家が結託しある特定の業者に有利な施策を策定する、といった汚職のパターンが起こるとします。当然のことながら汚職の積み重ねが正当な経済競争を機能不全に陥らせ、ひいては国の発展を遅らせてしまうのです。

現実に、千代田区の区議会議員だった男性(64)は小学校の改築工事など5件の一般競争入札で区の幹部らと共謀して最低制限価格などを業者に漏らし、見返りとして現金や商品券などあわせて30万円余りの賄賂を受け取り有罪となりました。多くの場合、その政治家は業者側から選挙支援を受けています。だからどんどん泥沼化して抜け出せなくなる。私たちも、地方で政治家がどんな活動をしているのか、しっかりと目を光らせなければなりません。

元論文はこちらから見ることができます。フランス語ではありますが、自動翻訳機を使って日本語で読むこともできますし、とっても面白い論文ですのでお時間のある方は是非とも読んでみてくださいね。

Selon un chercheur français, l’obésité des politiciens est liée à leur niveau de corruption

 

 女探偵 堺浄(さかい・きよら)

政治家を経て、生成AIやITを駆使し過去の事件を分析する女探偵に。社会科学領域の研究者(慶應義塾大学大学院を経てPh.Dr.)でもある。掘り下げたいテーマは、女性はなぜ政治の世界で「お飾り」になるのか、日本の「タテ社会」と「ムラ社会」は不変なのか、内部告発は組織の不条理に抵抗する最終手段なのか。

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