●更新日 08/07●
夢の禁煙薬 〜禁煙やめますか? 人間やめますか?〜
三ヶ月飲み続けるだけで70%が禁煙できるという夢の禁煙薬チャンピックス。
煙草をやめられない喫煙者にとっては、まさに福音のような薬だ。
だが、意外な落とし穴があった。
精神に対する大きな副作用が存在するという
例えば、認可から一年半の間にアメリカ食品医薬品局(FDA)へ寄せられた副作用報告の中には、
以下のようなものがある。
・自殺29件
・自殺未遂6件
・自殺衝動232件
・殺人衝動50件
軽い副作用としては、うつ病の悪化や悪夢に悩まされ続けるというものもある。
アメリカでの認可から1年半の間にFDAに寄せられた重大副作用の統計
これを受けてFDAではチャンピックス(アメリカでの商品名はチャンティックス)の
製造発売元であるファイザーに対して、医師への周知と説明書への危険性の明記を求めている。
そのせいか、今年に入ってからの自殺件数や自殺衝動の報告は大幅に減り、
1月から3月までの三ヶ月では自殺2件、自殺衝動10件、自殺未遂1件となっている。
治療に際して、適切な説明がなされた成果だ。
(参考:アメリカ食品医薬品局の公開する統計情報)
充分な説明がなされる前には、普段物静かで、暴力など振るった事の無いおとなしい人が、
この薬を服用し始めた途端に突如隣家のドアを蹴破ろうとし始め、
危険を感じた隣人に射殺されるといういたましい事件も起きている。
日本ではどうだろうか?
筆者が処方を受けた際には、医師から「吐き気」「眠気」についての説明はあり、
パンフレットにも「禁煙時には治療にかかわらず、イライラしたり不安になることがあります」
という説明書きはある。
しかし、副作用による危険行動や自殺衝動、果ては殺人衝動などという説明は一切無く、
日本ファイザーの一般向けホームページにも、それについては一切記載されていない。
日本ファイザーのサイト内検索結果
これは、薬の普及のため故意に隠蔽しているとも解釈できる。
たとえ、患者がそのような行動で命を落としたり犯罪を犯しても、因果関係の証明が済むまでは
「薬の副作用ではなくニコチン依存の弊害」の一言で逃げを打つことができるからだ。
また、日本での治験結果として興味深いデータがある。
ファイザーによる、日本国内での治験結果
なんと、プラセボ(偽薬)を使った場合でも40%の人が禁煙に成功しているのだ!
ちなみに、チャンピックスを規定量飲んだ場合の成功率は65%である。
この25%の差に命を懸けるだけの価値があるかどうか……。
そして、先月にはアメリカでイラクからの帰還兵に対して、副作用の説明なしに
治験が行われた事が問題となった。
戦争によるPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱えた兵士にチャンピックスを服用させ、
どのような異常行動を起こすかどうかの実験が目的だという。
アメリカ本国でも、安全性の確認が不十分な証拠である。
これを読んでいる喫煙者の方々は、
健康のためなら死んでもいい
禁煙のためなら人を殺してもかまわない
……とならないよう、充分気を付けていただきたいところだ。
梅宮貴子(偽)
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