●更新日 10/23●






隠された罪





BOSS初めまして。昔、宝島に連載をされていた頃からのファンというか読者というか...はじめてお便り申し上げます。
早速ですが昨日の事件
京都府警が1112勝した田原騎手を覚せい剤の容疑で逮捕。
久しぶりに田原成貴の名を見ました。
私の知り合いに彼と関係があった人がいます。
競馬の事に興味がない私ですが、その人が
「朝までうちにいてその足でレースしてG1で勝ったわ」
と言っていたのでまだ現役の騎手だった頃です。
その知り合いはAさんと言います。
そのAさんは田原にお金を貸してくれと言われたそうです。
Aさんは当然、重賞レース勝ちまくるし、人柄にも惚れていたので簡単にお金を貸してしまいました。その額1億と聞いています。
最初のうちはきちんと返済もあって、1000万円くらいは返って来たらしいです。
しかしそれ以降なしのつぶて...。
それからAさんの戦いが始まります。
ほぼ全財産を失った身なので死ぬ事も出来ず、仕事をし続けなければいけない状況に追い込まれています。
Aさんはついに訴えました。
それが7年前くらいの出来事です。
その裁判は最近結審したらしいですが、お金を貸したAさんの完全敗訴だったそうです。
というのも相手は田原成貴。
腕のいい弁護士を当たり前に用意できます。Aさんは弁護士を頼もうにも、田原の弁護士が相当な相手なのでAさんの弁護士がびびってしまうほどでした。
そして田原には完全な計算があり、Aさんの家の鍵を持っていたので留守中のAさん宅に侵入し、Aさんからお金を借りた時に作った借用書を持ち出してしまいます。
これで完全に証拠が消えたので、田原は涼しい顔して返済をやめてしまいました。
Aさんも田原を信じて何年も何年も待ち続けました。
正直に話してくれて謝ってくれればそれでいいと。
Aさんがみるみる落ちぶれて行くのが目に見えてわかります。
そこでついにAさんは田原成貴を訴えますが、長い長い裁判の上、ひとつも有利な展開になることもなく、敗訴が続いて結審。
裁判に勝つ方法を知っている相手には全く歯が立ちませんでした。

田原成貴の人気は相当なものだった様ですね。夢を見た多くのファンの陰で、こうやってひっそりと苦しめられている人がいます。少しでもAさんの無念を晴らす方法はないかと思い、ふとお便りを出してみました。





たくさん同じような案件を見てきましたので、負けた理由は分かります。
会社経由とかのお金じゃなかったのですね。相手はそこにつけ込んだのだと思います。借用書を盗まれたとか、Aさんの主張は何の価値もありませんし。
あと、頼んだ弁護士が悪かったですね。Aさんも調査費用は別枠として用意するべきでした。
日本の多くの弁護士はアメリカと違って探偵と連携していません。主戦場は裁判だけ、という弁護士が多いですから。テレビで見るような弁護士はごく一部と言っていいくらいです。
警察の捜査と同じく、詐欺事件は初動が一番大事です。裁判になる前に、相手に気付かれずに出来るだけ証拠を集める。
例えば、訴える前に田原氏を家に来させて、金を貸した会話を隠しビデオで撮っておくとか。

でも、理解してますよ。人間、カッとなったらそういう冷静な判断が出来ないものです。
私は文章の書き方から短気だと思われがちですが、こと仕事に関しては 気が長く粘り強いです。これはカナヤマンや佐々木の逮捕でお気付きの読者も多いかと思います。
Aさんと話し合って、もう一度戦ってみませんか?
幸いというか、田原氏は今娑婆にいないので動かぬ証拠が集まるかも知れません。
私も天下の田原氏の名前を出した以上、覚悟を決めて頑張ります。




BOSS





◇上記のタグを自分のサイトに張ってリンクしよう!


探偵ファイルのトップへ戻る

前の記事
今月のインデックス
次の記事