●更新日 05/04●







毎日起きる殺人事件について






地球が主人公、人間は寄生虫。
震災で万人が命の軽さを知る。
これから1年は犯罪者にとって天国になる。
年寄りや若い女性を殺すことに罪悪感のカケラも無い。
警察も東北に行って疲弊してる。犯人検挙のモチベーションも低い。
探偵ファイルを見ている読者はどうか他人事と思わないで。
連鎖は止まない。1人で歩いたら殺される。冷たい雨に打たれる。




昨日、西新宿の歩道橋を歩いている若い男がいた。
肩幅が狭い。貧弱なカラダ。
リュックを背負い、青と黄が混じったボタンダウンのシャツ。
足元はふらついている。なのに右手がせわしく動く。
よく観察すると仮想の剣を持っているようだ。切っ先が鋭い。

私は声を掛けてみた。

『誰を切ってるの?』

彼は尻餅をついた。
そして気を失った。
通行人が近くの予備校のガードマンを連れてくる。
この男はその予備校の生徒のようだ。
救急車が呼ばれた。




彼はどうして気絶したのだろう。



私はどうしたらいいのか分からなかった。



彼は、立ち上がって私を一瞥すると救急車に乗ろうとした。



もう一度、彼に尋ねた。



『誰?』



彼は答えてくれた。






おまえだ。








渡邉文男(BOZZ)







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