●更新日 06/12●
新宿反原発デモが残したものとは
6月11日、東京都・新宿で3.11以降、最大規模の反原発デモが行われた。「6・11 脱原発100万人アクション」と題して世界各国にも呼びかけて実施され、東京の他、郡山、熊本、福岡、広島などでも開催。主催者曰く2万人が参加した東京・新宿デモの模様を当サイト記者が取材した。
アルタ前を埋め尽くす人人人。
反原発。震災以降、収束の見込みがつかない放射能汚染を受け、民意の発露として今回のデモは当然の帰結とも言える。しかし、現場を訪れた記者が目にした光景はあまりにもはちゃめちゃなものだった。
車乗で演奏するハードコアバンド。
謎の演舞。
何故か海賊旗。
手塚先生も原発に反対らしい。
付近を通りかかった、デモの予定を知らなかった男性はこう言った。
「何のイベントですか?お祭り?」
突如現れたデモ隊に新宿を行く人々に皆困惑した様子。歩道は道路から封鎖され、満員電車のような有様で歩くのも一苦労だ。長野から買い物に来たという女性は「田舎者に優しくないですね」と苦笑しながらも「放射能や原発は大変な問題だと思いますけど、こんなこと(デモ)よりもっと良い方法があるのでは? 正直迷惑です」と苦言を呈した。
通行人の困惑をよそに、デモは加熱していく。しかし様々な団体が入り乱れている結果、バンド演奏の音や歓声が混ざり合い、壇上から発される主催者達の主張は非常に聞きづらい。これでは本末転倒ではないか。そしてトラブルは、デモ終了予定時刻の18時に起こり始めた。
「終了時刻です。解散して下さい」とアナウンスする警官。しかしデモ隊は聞き入れない。それどころか警察に食ってかかる者も出る始末だ。
口論はしばらく続いた。
結局、デモは予定時間を大幅にオーバーして終了した。
このデモが残したものとは何だろう。参加者2万人、日本中での開催という数字に裏打ちされた原発に対する問題提起……。一方で、らんちき騒ぎと形容されても仕方のない内容に対する通行人の困惑。そして、
東電のモラルを問う前に、自身のマナーにおけるモラルを自問する必要があるのではないか。
探偵ファイル
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