●更新日 06/14●
鉄道ファンの仁義なき戦い!運行妨害にJRも困惑
引退する車両を記念撮影しようと、鉄道ファンが殺到するという現象が各地に見られる。
最近話題になっているのは、201系という車両で、JR京葉線の各駅にファンが集結している。しかし、集まる人々のマナーが問題視され、鉄道ファンの間でトラブルが絶えないと聞く。先週には、「SEX」や「FUCK」といった卑猥な言葉を書いたプラカードを車窓から出して、撮影に来た人々に嫌がらせをする学生らが出現した。
プラカードだけでなく、「カンテラ」と呼ばれる鉄道用の手信号も持っていた。ランプは赤色が点灯していたが、これは信号故障時に列車の停止を知らせるものである。それを車窓から出すことは、運行トラブルの原因になりかねないと、問題視する人々もいる。
この騒動に関わった学生らが在籍するとして批判されたのは、鉄道学校を背景とする岩倉高等学校で、鉄道関連の専門コースを設置している。動画の制服の特徴や、カンテラを持っていたことから、絞り込まれてしまったようだ。学校のHPには、就職先の筆頭にJRが書かれている。
2011年6月13日、同校に話を聞いたところ、この問題については既に把握していた。動画を見た上で、事実確認を進めているという。ただし、完全な確認が取れるまでは、公式の発表は控えるとのこと。同校では、過去にも生徒が鉄道関連の騒ぎを起こすことが何度もあったそうだ。今回の件を契機に、そういった行為を自粛するよう、改めて生徒に呼びかけることにしたという。
学校周辺で、聞き込みを行った。その結果、同校の生徒が「それ、うちです」と認めた。生徒の話によれば、13日に学校から生徒たちへの注意があったらしい。問題行為に及んだ生徒について尋ねると、「それは、ちょっと…」と言葉を濁したが、学校はかなり具体的な部分まで既に把握している模様だ。
JR東日本千葉支社は、13日の朝の時点では、妨害行為として調査を開始したばかりと言っていた。同日夕方に改めて連絡を取ったところ、鉄道ファンが集まる場所では、既に対応していたことが判明した。総務の担当者曰く、201系が来る時間帯に、駅を管轄する営業部の職員や駅員がホームで監視しているという。ただし、妨害行為に及んだ客を特定することは、行っていない。
同社が対応を始めたのは、12日。問題行為に及ぶ人物を見つけた場合には、車内へも注意しに行くという。一例として、蘇我駅にて車内で過激な行動をする人間がいるとの連絡があり、駅員が見に行くと、既にいなくなっていたそうだ。引き続き、同社では職員らによる監視を続けていく。
京葉線で通勤・通学している人々にも尋ねてみたところ、妨害行為の目撃者こそ見当たらなかったが、この度のトラブルを知っているという人物がいた。そのうちの一人によると、201系の撮影に来ている鉄道ファンの中には、学生も少なからずいるらしい。今回の騒動も、その一部によるものではないかという。
確かに、マナーの悪い鉄道ファンもいるのかもしれない。だが、嫌がらせで対抗するというのは、むしろ鉄道ファンとして恥ずべき行動だ。未来の鉄道業界を担うはずの人間が、そうした行為に及んでいるのだとしたら、残念なことである。
高橋
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