●更新日 06/16●
八ッ場ダムで水力発電計画、その実現可能性は
今夏は、各地域で深刻な電力不足が起きると予想されている。
計画停電と並んで議題となっているのは、「どこから電力を確保するのか」ということだ。節電は重要だが、それだけでは電力を十分には確保できない。そこで注目されたものの一つが、ダムによる水力発電だった。ただし、水力発電の効果については、専門家の間でも評価が分かれているようだ。
民主党が計画中止をマニフェストに掲げた八ッ場ダムも、その目的の中に水力発電があった。
ところが、建設計画に携わる国土交通省の八ッ場ダム工事事務所のHPには、ダムの目的として水力発電について記されていない。これは、どのような事情によるものなのか。事務所に取材を申し込み、話を聞いた。
担当者によると、民主党が政権交代後、本体工事の契約手続きを途中で取りやめたために、状況が大きく変わったという。現在はダム自体の是非を検証作業中のため、関連事業の必要性や目的については話せないとのこと。ただし、この作業の実施が決まる以前の段階では、ダムの使用目的に発電が含まれていたそうだ。
これに関しては、群馬県の企業局が国の事業に参画してきたという経緯がある。元々、国としては発電を目的に掲げていなかった。しかし、ダム完成後に放流時のエネルギーを利用した発電を目的として追加したいと、県からの申し出があったという。その結果、当初の計画では、最大11700キロワットの発電量が見込まれることとなった。
電力をどのように使うかということの判断は、群馬県側に委ねられていた。計画では、発電した電力は東京電力に売るはずだった。ところが、地元の事情に詳しい情報提供者の話によれば、こうした構想は、ダム建設予定地の住民らの間では、まともに議論の対象になってこなかったという。その理由について、情報提供者は以下のように語った。
「水力発電なんて、誰も期待してないからねぇ。何年か前にいきなりそんな話がちょこっと出てきたんだけど、それで地元の生活がどうにかなるってことでもないんでね。町おこしの計画にしたって、ダムができたら観光客が来るかって、それも今じゃ怪しいし、レジャー施設の計画なんかも、もうずっと進んでないんで、それどころじゃない」。
さらに、八ッ場ダムでの発電そのものが「虚構」であるという説が存在する。
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高橋
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