●更新日 06/29●
渋谷「ナイキ公園」完成で新たなホームレス問題
渋谷の「ナイキ公園」ホームレス問題について、続報を配信する。 (関連記事 1 2 3)
詳細は以前に紹介したように、東京都渋谷区の宮下公園を、区がナイキと提携してリニューアルする計画が進められてきた。リニューアルの過程で、公園内のホームレスの人々に退去を命じたことに異論を唱える住民らが、「みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会」を結成。計画の中止を求めて、反対運動を展開してきた。
その後、工事期間に入り、4月末にリニューアル・オープンとなった。24時間開放されていた以前とは異なり、夜間は閉鎖されることに。渋谷区公園課公園管理係の担当者によると、暗闇での事件発生を防止するという、治安上の理由だという。また、節電を目的として、当面は18時30分で閉まる。
公園閉鎖後の時間帯に現地へ向かうと、周辺には数人のホームレスの男性の姿があった。「公園が閉まった後は、いつもこの辺りにいるんですか」と尋ねると、その一人は「このへん、待ち合わせのカップルなんかも来るからさ、嫌な顔されちゃったりして、長居はできないよね」と答えた。
宮下公園が工事期間に入った時期に、公園横の駐輪場沿いにある、区が提供したスペースに移った人々も多い。だが、そこに入居できなかったために、公園が閉まっている時間帯には居場所を失ってしまった人もいる。公園近辺の路上には、前回の取材時よりも多くの人々が生活している様子だった。
守る会と公園管理側との確執も、続いている。同会の報告によれば、リニューアル・オープン時に、反原発のステッカーを公園内に貼り付けた人物らが逮捕され、負傷者も出た。守る会は、行政代執行と「ナイキ公園」化を問題視して裁判を起こし、第1回公判が6月下旬に行われた。
現在は、園内にナイキの企業名は見当たらない。しかし、守る会の関係者らは、計画とその実行過程そのものが不当としている。問題の長期化は避けられない。
高橋
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