ICカードの売上金を着服した業者の社長は高校球児だった!?
既報のICカード乗車券への積み増し業務の委託業者が、売上金を着服した事件。長崎県は委託先の「光愃商事」の関太社長(41)を、業務上横領容疑で刑事告訴する。委託契約は7日付で打切りに。
関太の名前を聞いて、ピンと来る人は熱烈な高校野球ファンだろう。
関太は1988年の夏の全国高校野球選手権大会、長崎県代表の県立小浜高校のエースとして甲子園のマウンドに立った人。
地区予選で小浜高校は、並み居る甲子園経験校を撃破し初出場。
これを記念して小浜高校は、石碑を建立している。
校訓は「誠実な人」
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初戦は開幕戦。対戦相手は将木内監督、仁志敏久選手擁する茨城の雄、常総学院。小柄ながらも右の本格派タイプの投手だった関太はホームラン3本を含む被安打23本、失点19と打ち込まれたが、9回を完投。小浜高校は、6安打1点止まりに終った。
この夏の大会を基に、実名のファミコンソフトまで作られ、関太も投手として登場している。
全て実名だ
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高校卒業後は、三菱重工長崎に入社し、ノンプロ野球の人生を歩むことに。しかし、故障がちのため投手から野手に転向するも表舞台は、1992年の都市対抗のメンバーに選ばれただけ。レギュラー選手の座を得ることなく引退し、野球人生に幕を閉じた。挫折感は、相当なものだったろう。
この辺りから人生の歯車が少しずつ、狂いだしたのか――。
私が直撃した6日は、奇しくも会社は最後の営業日。同日の売り上げ約107万5千円の回収に対して同社は応じず、保証金を充てても約7万円が未収になっている。
高校野球を特集した当時の雑誌に、関太のインタビューが載っていた。それには「19点もとられたけど、完投できて気持ちよかった」と書いてあった。
純粋無垢な高校球児だった関太。大人になってからは、公金を横領して「気持ちよかった」と感じたのだろうか。
鉄ちゃん(元全国紙記者)
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