川崎市が放置自転車をベトナムへ横流し?
実際に川崎駅東口に行ってみると、
笑ってしまうほど、果てしなく駐輪場が続く。
平坦な土地柄、川崎は自転車利用者数が非常に多いと聞くが、それをまざまざと見せつけられる形となった。
そして問題の撤去である。
駅周辺で市民に自転車を撤去された回数を尋ねたところ、最も少なかったのが「無し」。「数えきれない」という猛者もかなりいたのは驚いた。確かに撤去の厳しさが半端ない…
では、撤去された放置自転車はどうなるのか。
川崎市自転車対策室の係長によると、持ち主に返還されるのは約半分。引き取り手のない自転車の処理方法は、大きくわけて下記の3つだという。
下のグラフを見てほしい。
データから読み取れるのは、放置自転車を撤去すればするだけ赤字になるということ。
読者が問題視している「海外売却」をしても、撤去・保管費用を抑える程度で利益を出すまでは到底いかないのが現状だ。市としては撤去件数が減るに越したことはないのである。
場所によって撤去の厳しさにバラツキがあることを指摘した時も、自転車対策室の担当者は「現実的に人件費や移送費などの問題で難しいけれど、禁止区域内の放置自転車はできれば全部撤去したいんですっ!!」と鼻息を荒くしていたが、これも裏を返せば撤去にはお金がかかるということだ。
また、街の顔であるJR川崎駅東口が2011年3月に整備が終わったばかりというのも大きい。
せっかく綺麗に生まれ変わったのだから、駅周辺を放置自転車で溢れさせたくないのは当然の心理で、それが撤去の厳しさへと繋がっているようである。
それにしても…
これだけ撤去されたら読者同様、川崎市民はさぞやお怒りに違いない。
そう思いきや、ほとんどが(撤去自転車を取りに来た人でさえ)「いや〜、仕方ないっすね!」。
川崎市民、撤去に慣れすぎ。
小山田 花子
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