●更新日 11/28●
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人工知能の職探しにモノ申す





オックスフォード大学等から興味深い発表がなされた。英国の仕事のうち35%が今後の20年間の間にロボットに置き換わる可能性を指摘するものだ。「事務的な仕事」や「外国語翻訳」等の仕事も該当するという。スマートフォンの音声認識機能や翻訳機能をみれば納得する。

さらに今後の労働者には、デジタル的な判断や管理といった「創造性」にかかる能力が一層求められるというのだ。これはどういった意味だろう?スーパーコンピューターがチェスや将棋の名人らに勝利したと耳にすれば、臨機応変な判断や持ち駒の管理は十分で、さらにゲームに打ち勝つ策士の要素も問題ないと思うのだ。この問題についてその報告書には解説されていなかったが、良く考えれば現実的な課題に気づく。それはエネルギー効率である。

チェスの達人カスパロフが過去に対決したIBMのスパコンの消費電力は50,000W。その性能を上回り、2011年にスパコン1位を獲得した理化学研究所の「京」は、

イメージ

12,659,890W

である。一般家庭約30,000世帯に相当する巨大な消費だ。一方、思考中のヒトの消費量については、大阪大学がヒトの脳内温度とその変化をMRIで調べている。それによれば、

1W(イチワット)。

これらの相対比較は電気料金に変換すれば判りやすい。10時間稼働した場合の金額は、

ヒト:京 = 0.27円:345万円

となる。

労働者の代わりに人工知能がモノゴトを判断し、創造することは原理的には可能になるかもしれない。しかしそんなものが増えると原発が何基あっても足りないし、まして誰がそんなお金を支払うのか。


出典
Delotte, One-thired of jobs in the UK at risk from automation (10 Nobember 2014), deloitte.com
大阪大学低温センターだより、(2011) 153 pp13-19.



松本企業博士 松本企業博士 @労働価値α=時間給E(円)/0.01(円)


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