前評判がいいので観に行ったが、日曜の最終というのに長蛇の列。
並ぶのが大嫌いなのは前にも確か書いた。(ディズニー・シーでポップコーンを買うのに1時間並んで気が狂いそうになった)
女友達(28)に「今度にしよう」とお願いしたが、ガンとして首を縦に振らない。
だって、会社で話題に乗り遅れるもん!
そんなこと言ってるから結婚に乗り遅れるんじゃ・・・
と言い返したかったがおとなしく従うことに。ポップコーンよりましだろうと思ったのが甘かった。
係員に誘導された先は、何と階段。それも、映画館は6階なのに、3階が列の最後尾だった。
つまり、今度は登らされる。それに気づいた俺は、無性に腹が立って来た。
周囲の人々はみんなニコニコしている。あと開演まで40分もあるんだぞ?
おまえら、そんなに狭い階段で待たされるのが好きなのか?趣味なのか?
やっと開演。ゾロゾロと薄暗い階段を登る。酸素が薄い高い山を登るような気分。呼吸が苦しい。
しかも座らされたのは最前列。
スクリーンまでたった2メートルしかないではないか!!
これじゃ画面が全部見えんのじゃないのか?
(彼女がポップコーンを買ってきた。それを見て軽い吐き気をもよおす。条件反射だ。)
とてつもなく悪い予感が当たった。
視線の正面は大きな字幕だった。
直径50センチもあるたくさんの字が目の前で躍っている。首をどんなに伸ばしても、字幕の呪縛から逃れることができない。もっと最悪なことに、字をなめらかにみせるため、一字一字にボカシ(ノイズ)が施されている。そう、テレビのゴースト状態なのだ!
しかもこの映画、3時間だし。
何やら物語は進行しているが、まったく画面が見えない。左右を見るためには首を180度動かす必要がある。上は何と90度だ。首の運動能力の限界を遥かに超えている。
すべては俺が悪かったのだ。東急プラザではなく、渋谷松竹を選択したのは何を隠そうこの俺だった。まさしく自業自得。
映画が終わった。立ち上がった時、心なしか首が長くなったような気がした。
彼女も首が痛いらしい。二人はこの後、バーに入った。何もしゃべらず、二人はただただ
天井を見上げていた。