●更新日 01/28●


工事現場を模したヴィトンの仮設店舗、誕生の背景とは


多くの日本人が愛する高級ブランドの代表、ルイ・ヴィトン。

昨年5月に東京都豊島区の西武百貨店池袋本店に誕生したのが、「underground」と称した店舗である。池袋本店の中に新店舗がオープンするまでの期間限定のコンセプト・ショップとして始まったもので、場所は池袋駅の改札がある地下1階である。内装は、従来の高級感を前面に出した雰囲気とは全く異なるものとなっている。コンセプトは、建設作業中の工事現場。





オープン当初から各方面で話題になった同店について、西武の関係者から誕生秘話を聞くことができた。同氏によると、これまで池袋本店にはヴィトンが入っていなく、得意客からの要望も強かったそうだ。ヴィトンの取り扱いを始めることは以前からの悲願だったのだが、話はそう簡単には進まなかった。

計画が持ち上がった当初、池袋本店のリニューアル計画の一環として、1階に現在ある駐車スペースのあたりにヴィトンを入れるという案が出ていた。隣にはエルメスが既にあり、両者と化粧品売り場を核として、女性を中心に集客を図ろうという計画だった。ところが、計画は思うように進まず、その延長上に出てきたのが、地下1階に暫定的に店舗を設置するということだった。

候補地として選定されたのは、これまでセール会場等として使用され、その後に人気の洋菓子を集めたスペースへとリニューアルした場所だ。このような経緯でオープンした「underground」は、客からの評判も予想以上によかった。他の店舗より気軽に入れて立ち寄りやすい、雨の日も地下の駅改札から続いているので行きたくなるといった反響があった。一方、スペースの都合で、品揃えには不満があるとの声も出ているという。

当サイトに情報を提供してくれているアパレル関係者は言う、「これだけ国民そろってヴィトンが好きなのは日本だけですからね。それこそ服に関心のない中年のオヤジからミリタリーファッションの女の子まで、バッグはヴィトンを持ってたりする。そういうミスマッチなコーディネートが街にあふれてる日本らしいんじゃないですか、それがいいか悪いかは別ですけど」。

不況の只中にあるとはいえ、たくさんの人々が「underground」に続々と来店し、高額なアイテムを買っていく。そんな空間から一歩外へ出れば、目の前には地下通路で眠るホームレスの人々の姿が。これもまた、この時代の一つの現実なのである。






探偵T



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