●更新日 05/07●


ファッションの街・青山からシンボルが消えていく


ファッションの街として知られる東京・青山。
仕事柄、アパレル業界関係者のAさんは週に2回近辺を訪れるという。そんな彼が気になるのは、“街が衰退の一途をたどっているのではないか”ということだ。特に「骨董通り」一帯の活気が失われているという。




骨董通りには、かつて数多くの骨董店が軒を並べていた。中島誠之助氏の「からくさ」も存在していた場所だ。時代の流れと共に骨董店の数は減っていった。 そしてそれに伴い、海外ファッションブランドのブティックが急増。だが、今やブティックも次々に閉店しているといった状況である。

「昔は街のシンボルとも言えるブティックがいくつもあったんです。でも、このあたりの略図に必ず描かれるような店がどんどん潰れていっちゃったんです よ。オーダーメイドの高級店も消えていきました。“テナント募集”の貼り紙がずっと出ている場所もありますし、新しくできた店にもシンボルになるようなものがありません 」


私は彼に案内されて骨董通り近辺を散策してみた。この街に以前からあったという、「HUGO BOSS」のブティックがこの春で閉店となっていた。店内は白い幕で覆われて中が見えなくなっている。ガラスには、「今後は六本木店を利用してほしい」との貼り紙が掲示されていた。



かつては、街のシンボルとなるような店が協賛してイベントを大々的に展開するなど、街としての魅力が大きかったという。不況のせいもあるだろうが、人々が通いたくなるようなシンボルの存在は大きいだろう。

「たとえ買い物をしなくてもフラッと入ってみたい。店の前を通ってウィンドーを眺めるだけでも楽しい。そんな店のある街には活気があります」

そんな彼は定年退職したら、この街で小さな店を開くことが夢だという。
街の再活性化を願うその一途な思いを応援したい。



高橋



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