一年近く経っているせいか、そのワンピースはすでに店頭から消えていた。嫌な予感がする。
私は店主に服の特徴(写真の通り、黒地に油絵で書いたような大きな花柄はかなり目立つ)、
彼女の母親の名まえや外見を細かに説明し、誰がその持ち主になったのかを調べてもらった。
あまりお客が来ないせいか、その持ち主を割り当てるのにさして時間はかからなかった。
次の所有者が○△劇場の踊り子であることが判明し、私は急いでその劇場に行く。
呼び込みにお金を掴ませ聞き込んだ結果、不安はまさに的中した。
その踊り子はこの、北陸巡業中に睡眠薬自殺を図っていた。
さいわい、一命はとりとめ九月に富山の病院から後遺症害のリハビリのため、仙台の病院へ転院していた。
私ははやる気持ちをおさえ、一旦ホテルへ戻り、スーツに着替え、見舞い用にフルーツを買い病院へ出向いた。
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