『これだ!』

 私はこのワンピースになにかがあると直感した。 普通の人だとこの手の話は聞き流してしまうだろうが、探偵の勘がそれを確信させる。
 私はそのワンピースがどこにあるかを尋ねた。 すると彼女は自殺するまえには飽きてしまったのか、あまり着てくることはなくなったらしい。 古着なので捨ててしまったか、あるいは親族の方が形見として保存しているのか。
 私は彼氏から母親に連絡させたが、彼女の衣類はすべて近くの古着屋で処分されていた。 お金が欲しいためではなく、家に置いておくと服を見るたびにつらくなるからだそうだ。 捨てるには抵抗があったのだろう。
 私は彼氏を引き連れ、その古着屋へ向かった。