事故死したOさんは、B建設の下請け、D土木の社員だった。働き盛りで明るく、みんなの人気者だった彼は、奥さんと子ども二人の四人家族で、幸せな生活を送っていたらしい。

しかし、A中学の新校舎の工事中、ユンボ(ブルドーザーの背が伸びたような工作機械)のそばでコンクリートのバリ取りをしているとき、誤ってユンボが掘った穴に落ちてしまったのだ。ユンボの操縦士は、慌てて機械のアームを持ち上げようとしたが、逆にコンクリートの大きな塊を彼の上に落下させてしまった。

落ちてくる塊に向かって、とっさに手を差し出したところ、そのまま両腕と右足を押し潰されてしまった!塊の端は鋭利な刃物のようになっており、両腕は服と皮膚を残してほとんどちぎれてしまった。

A氏はOさんの断末魔のような叫び声を聞きつけて、現場にかけつけ、すぐに救急車を手配した。病院に運ばれたOさんは、この事故で受けた側頭部の頭蓋骨骨折のために死亡し、両腕の縫合はなされなかった・・・・・・。