私は、そのおじさんが誰なのかつきとめるために、学校の歴史を調べた。
昭和四十五年、旧校舎から新校舎に建て替えられている。そのとき工事を担当したのはB建設だ。
B建設に出向いて労災の適用(事故で支給される保険)があった社員を調べる。すると、昭和四十五年にA中学の工事現場で、一人の事故死者が出たことが分かった。くわしい事故の資料がなかったので、当時の工事責任者、A氏に会いに高松へ行く。(A氏は、平成二年に定年退職して郷里に帰ったとのこと)
探偵がわざわざ出向いてきたことに、A氏はたいへん驚いたが、親切にことの始終を教えてくれた。
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