午後十一時、部屋から出てきた彼がカペラに乗り込む。女を迎えに行くためだ。 助手席の里見さんが身構える。 そして車が走り出した瞬間、「アッ」と叫んで彼女が指をさした。私はとっさにその方向にカメラを向け、シャッターを押した(現像後、霊が写っていた!) 車の横に自転車の駐輪場があり、その陰に怨霊がいるらしい。私はカメラを置いて、目をこらした。