これが本当の話なら、すごい霊能力だ。私は驚きを隠せなかった。

「すごいね!それは佐田の守護霊?」
「いえ、憑依霊です。守護霊は、そのために出てこれません。社長、佐田さんに伝えてください。私が言ったとはぜったいに内緒にして、家の井戸をまつるようにって。その近くで殺された武士の怨念が残っています」

私は約束を守ると言って、新たな質問をした。
なぜ霊能者を職業にしないのかと聞くと、自分には霊を見たり原因を探る能力だけしかなく、はらう能力がないのだという。この祓う能力が一番たいせつで、修行をしないと身につかないし、中途半端な力では、霊障をもろに受けて命が危ないらしい。
しかも彼女は、それを職業にしている霊能力者は、本当はあまり見えていないのだとつけ加えた。本当に見えると、あらゆる面で大変だと言う。
とくに、テレビに出ているような霊能力者のほとんどがインチキらしい。それなのに、彼らの元に通う人がいることが信じられないと言った。