●更新日 06/05●
老婆の無念が宿る家
横浜市の住宅地に、霊が出る家があるという。
その家は破格の安さで賃貸され、お試し入居もできるとの情報もあったが、そのようなことをしている不動産屋は見つからなかった。
しかし現地でも、この家はかなり有名だった。
「あの家のあった所には元々あるお婆さんが住んでいたそうなんです。でも戦後米軍に接収されてしまい、とても無念に思っていたそうです」
この区域は戦後米軍に接収され、米軍居住区として使用されていた。
そして、そのお婆さんは土地を取り戻せぬまま亡くなった…。
接収が解除された後、お婆さんの住んでいた所にも新しい家が建てられた。
ある親と子の二世帯夫婦がその家を購入。
その後、一家に待望の初孫が誕生した。
祖父は孫をとても可愛がっていたが、ある日突然
「お孫さんを虐めるようになったんです」
祖父の異常に気付くも理由が分らない家族は霊媒師を呼んだ。
答えは恐ろしいものだった。
「この家に住んでいると、いずれ誰かが殺されてしまう」
そして一家はこの家を手放し、引越した。
以来、祖父が孫を虐待することはなくなったという。
その後、家は賃貸住宅になり、何度となく入居者が入ったが皆、「霊が出る」と出て行ってしまった。
「私も住んでいた人から相談を受けたことがあります。夜中に人が話す声がする、壁に人影が映った、ドアを開けたら正面にあるクローゼットに女の人がいたとか…」
また、この家の補修に来た大工も「この家は“へん”だ」と話し、入居者が入る度に何らかのトラブルが起きたという。
米軍から土地が返還されとき、そのお婆さんの魂もここに戻って来たのだろうか?
そして、まだ当時の怒りと無念を抱えたままでいるのだろうか……?
現在、この家の家主はいるが、帰ってくることはほとんどないという。
Li Kouji(リ・コウジ)
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