●更新日 08/01●
飛び降り死 落下現場の霊
これは以前、私自身の身に起こった体験談である。
当時、私は都内某所にあるマンションの1・2階の店舗で働いてた。
ある日、外回りから帰ってきた同僚が、車から荷物を降ろしているときのこと。
「ドサッ!!」
というニブイ音が聞こえた。
後ろを振り返ってみると、何かかたまりのようなものが落ちていた。
はじめ同僚は、上階から布団でも落ちてきたのだろうと思っていたようだが……。
近づいてみるとそれは、
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グチャグチャになった、人 だった。
人といっても男女の区別もつかず、やっと「人」であったとしかわからない。
辺りは血と肉片が飛び散り悲惨な現場となった。
後日、それは上の階のマンションに住む若い女性であったと判明。
部屋からは、涙でにじんだ遺書が発見されたという。
付き合っていた彼氏にフラれたという内容だったらしい。
「このマンション多いよな……、自殺……」
この飛び降り自殺で4件目だった。
マンションの管理人も、慣れた手つきで現場の血痕を水で流すほどである。
「だから、ここは出るんだよ」
これまで何度となく幽霊目撃談は囁かれていたが、その一件以来、2階の男子トイレで髪の長い女の霊の目撃談が囁かれるようになった。
トイレに入ると、どんよりとした空気に包まれる。
個室トイレの奥を覗くと、黒い髪をなびかせた女の人影のようなものがサッと壁に消えていく。
男子トイレのある2階に続く階段、上るごとに空気が淀んでいくのを感じる。
同僚達はその話を聞き、誰も2階へは上がろうとしない……。
この霊はマンションで自殺した若い女の霊なのか。
度々、男子トイレに来ては自分を捨てた男を探しているのだろうか……。
だから違う男が来ると姿を消してしまうのだろうか……。
そうだとすると切ないが、死んでも彼のそばにいたかったのだろう。
そんな話を聞いた3ヶ月後。
私は、同僚と車に乗車中、交通事故に遭った。
フロントガラスに顔を突っ込んだ私は、血だらけになり救急車で運ばれた。
これも霊の仕業だったのだろうか……。
鈴木
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