●更新日 08/14●
電話ボックス
これは今から数年前、当時高校生だった松田さん(仮名)が体験した話・・・
彼は夏休みを利用し、友達2人と心霊ツアーに行くことになった。
廃墟、寺院など、いくつかの心霊スポットを回った後、
地元でも、出ると有名な電話ボックスに行くことになった。
噂によると、人通りの少ない道で車にひき逃げされた女性が、
助けを呼ぶために電話ボックスに入ったのだが、
受話器を持ったまま、そこで力尽きたのだという。
以来、その電話ボックスに入り受話器を耳に当てると、
女性の声で『たすけて』と聞こえるというのだ・・・
現場に着いた3人は、さっそく順番を決め、一人ずつ電話ボックスに入ることにした。
1人目が入り・・・受話器を耳に当て・・・出てくる・・・
『全然、何も聞こえなかったよ』
2人目・・・
『なんか聞こえたような気がしたけど・・・わかんない』
3人目、松田さんの番だ・・・
電話ボックスに入り、受話器を耳に当てる・・・
『・・・・・・』
何も聞こえない
『・・・・ヶテ・・』
ん?
『・・・スケ・・テ・・』
・・・
『・・タ・スケテ』
確かに聞こえた!『たすけて』と!
しかし・・・おかしい・・・声は聞こえるのだが、
明らかに受話器からではないのだ・・・
ドン!
突然後ろのガラスを叩く音がした!
驚いて後ろを振り向いた・・・そこには
ガラスを叩く血まみれの女がいた
『タスケテ!!タスケテ!!』
松田さんは恐怖のあまり、叫びながら電話ボックスを飛び出した。
しかし、外で見ていた2人は、そんなものはいなかった、
いきなり松田さんが飛び出してきた、と言うのだ。
あれは一体何だったのか・・・恐怖心が作り出した幻だったのだろうか・・・
多田
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