●更新日 09/06●

渡邉文男のショートホラー1


怨霊調査報告書はもうお読みになりましたか?
ごま書房から出版され、ローソン系だけで5万部が売れた渾身のショートホラーです。
出版物のため、ネットの記事とは違って書き下ろし風の内容となっています。
ラルクのhyde君からサインを頼まれた本作。
まだ見てない方は秋の夜長にじっくりと読んでください。かなり怖い物語ばかりです。
中でも「ワンピースの怪」はタケシのアンビリーバブルにも登場しました。

さて、話しは変わって・・・。

先週の木曜日、仕事の疲れもあって早々と自室のベッドで寝ていた時のこと。
熟睡中、いきなり何者かに右手首を強い力で攫まれて目が覚めました。
目を凝らすと、ぼんやりと人陰が見えましたが、ほんの数秒で掻き消えました。

いやな感じが頭から消えず、それから眠れません。
喉が渇いたので、ダイニングのほうへ行くと・・・


いました。


20歳前後の女の子でした。
彼女はニタリと笑い、私のほうを振り返りました。
キッチンにしゃがみこみ、手には包丁。
私に何か訴えかけるように、険しい表情に変わったと同時に
持っていた包丁で彼女は自分自身の手を横に深く挽きました。

おびただしい鮮血。

私は咄嗟に


やめろ!


と言葉で静止しました。
すると彼女は哀しい表情に変わり、徐々に映像が煤けていき、仕舞いに姿が掻き消えました。

時間にしてほんの数十秒の出来事。
まったく面識がない女の子。私の家に忽然と現れる招かざる客はここ一年の間にこれで4人目になりました。
私は霊能力者ではなく、これが生霊だか死霊だか判別はつかないけれども
私のところに来ると痛みが和らぐのか、何故か午前3時過ぎに決まって現れます。


みなさんは、こんな


写真


美人の霊に自宅で遭遇したら、いったいどうしますか?
私は、次に現れたとしたら、慌てずに寝室に誘導して逢瀬を楽しんでみたいと思います。
怪談・牡丹灯篭のように、霊と肉体関係が持てるとしたら、どんな感触なのでしょう。
呪われて自分の寿命が縮まったとしても、それも人生ですから。



渡邉文男


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