●更新日 11/01●
水色のタオル(百物語)
私の実体験の話です。小学生の頃、母は水商売をしていました。父親と母親の仲は非常に悪く、私が小学3年生の頃母に男ができて離婚しました。
私は父に引き取られました。母の作った借金を返しながらの生活で決して楽ではありませんでしたが、みんなで何とか暮らしていました。
私が小学6年の11月。父は夜仕事先に呼ばれたと言い、家を出て行ったきり帰っては来ませんでした。
父が居なくなって2日目の夜の出来事です。
布団で寝ている時、なぜか息苦しさを感じ目を覚ますと、
天井から水色のタオルが落ちてきて私の首に巻きついたのです。
そこで気を失い朝を迎えました。
朝、電話がなり、父が亡くなった事を知りました。自殺でした。
父の遺留品の中に水色のタオルがありました。天井から落ちてきたタオルでした。
父は私1人を残して死ぬよりも道連れに・・・と思っていたのかもしれません。
Takasaki
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