●更新日 11/08●

男子トイレの鏡(百物語)


これは私の通っていた学校のはなしです。

写真

私が入学してしばらくして気がついたのですが、1年生のよく使用していた4階の中央男子トイレになぜか鏡が1枚もありませんでした。手を洗う場所が窓の反対側に向かい合うように並んであるのですが、そこには止める金具があるのに1枚もないのです。他階の同位置のトイレのそこにはすべて鏡がきちんとはまっていました。おかしな事があるもんだと思いつつもそのまま通い続けていました。
そのことをその後は考えずに1年ほどたって、久しぶりにそのトイレに行ってみるとすべての枠に鏡が取り付けられていました。

あーやっぱり割れたりしただけだったんだなーなんてそのときは思っていました。
しかしそのたった数日後また行ってみると鏡が全て無いんです。
あれ?と思い部活の合宿の時にふと先輩に聞いてみました。
そうしたら「あー。あれ?また出ちゃったらしいんだよね。」との答えが。
「出たってなにがですか?」と思わず聞いたら、あまり話したくはないという感じで答えてくれました。


その先輩の説明してくれた話を要約するとこのような物でした。


昔は進級が大変で(もちろん今もですが)創立当時には自殺してしまう学生もいたそうだ。そしてノイローゼになってこのトイレの窓から飛び降り自殺をした学生が居た。
そしてそれからというもの遅い時間に手を洗いながらふと目の前の鏡で窓の外を見ると、

窓の外からその学生がよじ登ってのぞき込んでいるのが見える

と言う事件が続発するようになったとのこと。





写真


そのため鏡は全て取り外され、供養のための灯籠が設置されたとのことでした。その後、忘れ去られていたのですが、この話を知らない新任の施設管理者が鏡を付けてしまったらしい。そして付いた途端にまた窓の外に見えてしまった。そしてまた取り外された。とのことでした。

噂では最近また鏡が設置されたとのこと・・・あなたの学校の庭にぽつんと灯籠がありませんか?



ryo



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