●更新日 11/24●
18階(百物語)
私は現在ある海外のホテルで働いています。
夜勤の為色々な不気味な感覚を覚える事があります。
この話もそう言った思いが作り出した現象だと信じています。
あれは夜中の1時頃に早朝に到着するお客様のお部屋を
私一人で各部屋をチェックしていた時に起こりました。
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その時私はエレベーターに乗り17階に行こうとし、
誤って18階のボタンを押してしまいました。
私が働いているホテルの18階はバーになっているのですが、
そこは夜中になるととても気味が悪く寒気がします。
「嫌だなぁ」と思っていたのですが、エレベーターは14階で止まりました。
私はほっとしてこの階で降りてしまおうと思いました。
しかし、扉が開いても一向に誰も乗って来なかったので、
私は周りに誰もいない事を確認し扉を閉じました。
その時です…!
後ろから
「乗ります!」
と小さい女の子の声が聞こえた様な気がしたのです。
後ろを振り向きましたが、当然誰も居ません。
「気のせいだ、そんな筈は無い」と思っていると、
エレベーターはまた上昇し始めました。
しかし私は見てしまったのです。
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髪が長く自分よりもずっと背の高い女性の影が扉に映っているのを。
私の体は硬直してしまい、その影を見つめる事しかできませんでした。
そしてエレベーターが18階に着いたとたん後ろから突然誰かに
押されたかのような感じでエレベーターから突き出されました。
誰も居ない筈なのに、背中にはまるで殴られたような痛みだけが残っていました。
慌ててエレベーターのボタンを押すと、先程乗ってきたエレベーターが開きました。
乗るしかないのでそのエレベーターに乗りロビーまで降りる事にしました。
降りる時間がまるで1時間にも2時間にも感じました。
何事も無くロビーまで降りてほっとした時です。
同僚のこの一言で自分は死ぬのかもしれないと思いました。
「一緒に乗っていた女性、すごく怒った顔してたけど何かあったの?」
mind
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