●更新日 01/19●

霊の住むマンション


都市にはどんどんマンションが聳え立ちますよね。

しかし、マンションを建てるのにはそれなりの広い敷地が必要です。一つの大きなマンションが建つということは、その場所にあった土地を地上げしたということ。

高層ビルがバンバン建つ時代。地上げなんかはどこもやっていることと言われればその通りなのですが、そこの土地は死者が大量に眠る場所だとしたら??

池袋のサンシャイン60は監獄跡地に建てられたので有名ですが、そこのレベルまで行かなくてもお墓・神社・お寺などを取り壊して建った物件とういうのは無数にあります。

私が聞いた話は、住職がギャンブルで身を崩し経営難に陥ったお寺を不動産屋に売り、その場所に建てられたマンションが都内にあるとのこと。

もうそれだけで巷に溢れる怪談話の元になりそうですが、本当の怪奇現象がマンション建立後に続出!

写真

立て続けに起きる飛び降り自殺に、良く解らないラップ音に毎夜悩まされる住人。

新築にも関わらず、1年後には周囲の相場の3分の2ほどの家賃にまで下がってしまいましたが、それでも借り手は中々付かなくなっていった・・・。


きっと、取り壊されたお寺でゆっくり眠っていた霊が怒っているのでしょう。

鎮魂を依頼された陰陽師の先生がこのマンションに着いた時、「ここまで一つ一つの思念が大きく一つに纏まると、もう神霊と言って差し支えない。これは私の手には負えない・・・」と丁重にお断りをした場面を偶然にも私は見てしまいました。


しかし、相変わらずマンションだけは存在し続ける。

建てた以上、住んでる人が少しでもいる以上、壊すわけにはいかないですから。


そう、住んでいる人がいる。必ず霊的な現象が起きるのに、それでも住んでる人がいるのは何故??

気になった私は、住人の方に取材をしました。


「怪奇現象?アァ・・・越して来た時はラップ音したりとか、何か大勢の何かに追い掛け回される夢とか見てたけど、だからと言って引越しする金もねぇし。我慢して住んでたらいつの間にかなくなったんだよな。今は、おかげで家賃も安いし気に入ってるよ」


霊だって元は人間。

もしかして、自分たちの存在にもめげないで住み続ける人は、彼らなりの基準で認めているのかもしれませんね。



西垣 葵 写真


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