乙女の祈り
手酷く失恋をしたとします。
相手に弄ばれて捨てられたとします。
皆さんなら、どうしますか?
世の中には全てが嫌になり、世界に絶望し、自らの命を断つ人もいます。その際の遺書を樹木に刻み、その樹にて首吊りをした女性が宮城県にいるという話は御存知ですか?
1人の女性ががいました。女性は男性を非常に愛していましたが、男性は女性を都合のいいように使い、いらなくなったら、いとも簡単に裏切り捨てました。
捨てられて自暴自棄になった女は、恨みの言葉と、この世のものとは思えないほどの恐ろしい形相を残し自殺。
その松の木は、断崖絶壁の松林に立っているとか。
『コノ時ヲモッテ己ノ限界ヲ知ッタ
大自然ニ生キルイギヲ失ウ
己ハ死ヲモッテ
コレヲ征服セネバナラナイ
昭和四六 二 一男』
しかし、遺書を見る限り呪詛とも取れなくはないですが、非常に哲学的な言葉で女性が本当に残したものか疑問視することも出来ます。地元ではこの樹木を「乙女の祈り」と呼んでいるそうですが、それは何故?
それは、女性が自殺した樹は他にあり、そこには「乙女心を踏みにじった○○○許さない」と刻まれていたのが乙女〜と呼ばれるようになった原因だとか。
当初、○○○の部分には相手の名前が刻まれていましたが、後に誰かに消されてしまって読めなくなり、更に後には樹木そのものが切られてしまったと言います。
では、写真の呪詛が刻まれた樹は?
誰かが勝手に彫っただけのでっち上げという話もありますし、ここの絶壁から飛び降りたという話。
実は、死んだのは女性じゃなくて男性だったという話。
今でも真相は解らないまま、様々な話が地元には残っています。
西垣 葵
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