呪いの藁人形
憎い。
あいつがどうしても憎い。その思いが臨界点を突破した時、呪いを藁人形に込めて、打ち付ける人がいます。
頭に「鉄輪」を乗せ、三本の灯明を灯し、顔には丹を塗り、毎晩丑の刻に、神木に藁人形を五寸釘で打ち付ける!
足に五寸釘を打てば足が悪くなる。
胸に打てば内臓が悪くなる。
手に打てば手ぐせが直る。
頭に打てば呪殺という言い伝えがありますが、科学がここまで進歩した現在、本気にしている人がどれくらいいるのかは怪しいものです。
しかし・・・。
もともと、この呪いは京都にある貴船神社から発祥しました。
文献に初めて「丑の刻参り」が登場するのも、貴船神社を舞台に平家物語に収録されています。
貴船神社は呪詛神としての信仰があり、今もなお信仰は消えていません。
日本全国、丑の刻参りをしたという場所は多々あるでしょうけども、この神社だけは別格。
正門の裏手側にある樹林の側に回ると、、
五寸釘が打たれた樹が、いとも簡単に見つけられる・・・。
神主さんに聞いてみた所、1ヶ月に一度は必ず深夜に音が聞こえてくるらしい。
まるで現代日本でないかのような感覚に囚われる樹林地帯。
耳をすませば、カツーン!カツーン!という音が聞こえてはきませんか??
西垣 葵
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