金縛りとうつ伏せ
皆さんは、金縛りというのを体験されたことはありますか?
医学的には体が休んでるのに脳だけが目覚めてる状態なんてことで説明が付くらしいですが、中には心霊現象などとした思えない実例も・・・
今回は、中島さん(26歳・仮名)の身に起きた、摩訶不思議な現象です。
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今日はとても疲れた。
いつもの倍の客先を回ったせいか、足がパンパン。鏡を見てみると、顔は排気ガスで煤けていた。
シャワーを浴びてソファーに座り込むと、座ってるだけなのに強力な眠気に襲われる。
さすがに今日は体に限界だったのかもしれない。もう寝ようか・・・明日もまた早いし。
時計の針は23時になろうかとしている。寝るには早いが、まぁ、いいだろう。
寝室に移るために、ソファーから立ち上がろうとしたら・・・
・・・立ち上がれない。何故?
立ち上がろうと足に力を込めてるのに、ソファーにどっぷり座った自分の臀部は根付いてるように動かない。
立ち上がるとは、どういう風に体を動かすのだっけ?
解るはずない。そもそも、立ち上がるなんて行動を、意識してやろうなんて思うことはないのだから。
「・・・なんでだ!」
動かない。体が動かない。
動かそうと無理やり体を上げようとした時、体はソファーに倒れ込んでしまった。
しかも、うつ伏せ。
目に見えるのは、ソファーの革部分のみ・・・
「ふふ・・・」
誰かの声!?
空耳じゃない! 確かに、今誰かの声が!
誰!?
何とか体の向きを変えようとした瞬間!
「!?」
体が完全に動かなくなった!?
さっきまでの“緩慢に動かない”じゃない! 完全に体が動かない!
うつ伏せのせいか、呼吸が・・・
「ひひひ・・・いひひ・・・」
また、声が・・・。しかも、気持ち悪い声・・・
そして、だんだんと背中に掛かる加重。
まさかコイツ、上に乗っている!?
「やめろ・・・やめてくれ・・・」
か細く声が出たように思える。本当に出たかどうかは疑わしいが。
しかし、どんどん重くなる背中。押し付けられる顔。呼吸が苦しいから、絶息に代わるのにそう時間は掛からず・・・。
遠のく意識。見えてなくなる景色。
暗くなる・・・。
・・・・・・目が覚めた。体にはぐっしょりの汗。
夢か・・・。そりゃ、そうだ。普通じゃない経験だった。夢以外のナニモノでもないだろう。
ふと、時計を見てみたら23時半になろうかというところだった。
「なんだ、30分も経ってないのか」
あれが悪夢というのだろう。汗が気持ち悪い。もう一度シャワーを浴びようと洗面台で服を脱いだら、、、
背中に手の形の痣が付いていた
・・・また寒気と共に、汗が出るのだった・・・
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確かに金縛りは医学で説明出来ることもあるでしょう。
ですが、中島さんが経験した体験はどう説明すればいいのでしょう? 背中に付いた手の痣を・・・。
西垣 葵
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