●更新日 11/13●
危険な遊び?今また流行のフラフープの歴史
フラフープによるダイエットがあるという。
かつては子どもの遊びだったが、今はメタボ対策など、大人の愛好家が急増しているそうだ。
フラフープは昔、オーストラリアで子供たちが木の輪を回して遊んだことからできた遊びらしい。
のちに、アメリカでポリエチレン製の商品として売り出したところ人気が出た。
腰の動きがフラダンスに似ているところからフラフープと呼ぶようになった。
アメリカの人気はすぐ日本にも広まった。
子どもだけでなく、大人でも夢中になる人が増え、1958年(昭和33年)頃大ブームになった。
ところが、フラフープで腸捻転になった人が出てたとニュースになったことで、ブームはあっという間に下火になってしまった。
筆者が子供の頃も、ブームはとっくに過ぎ去った時代だったが、教師や親にフラフープで遊ぶのを真剣に止められたものである。
調べてみたところ、フラフープが原因(?)とされている事故がいくつかあった。
昭和33年(1958).11.16
- 11月(以下同)16日に東京都荒川区で、少年(15)がフラフープをしていて、胃かいよう部分に穴が開いて
胃の3/4を切ったが重体。
- 20日に千葉県八日市場市で、小学5年生女子(11)がフラフープが原因で急性盲腸炎と腸捻転を起こし重体。
- 20日に愛知県中島郡で、中学3年生(15)がフラフープが原因で急性腹膜炎で胃に穴が開いて重体。
- 21日に千葉県船橋市で、無職(17)がフラフープが原因で急性腹症で入院。
- 27日に千葉県八日市場市で、小学6年生女子(12)がフラフープが原因で急性盲腸炎と腸捻転を起こし重体。
- 28日に千葉県八日市場市で、小学3年生(9)がフラフープが原因で急性盲腸炎と腸捻転を起こし重体。
- 28日に千葉県匝瑳郡で、小学6年生(12)がフラフープが原因で急性盲腸炎と腸捻転を起こし重体。
- 20日に奈良県大和郡山市の自宅で、小学6年生女子(13)がフラフープで遊んでいて卵巣破裂の重傷となった。
- これを受けて市教育委員会は12月5日に小中学生のフラフープ全面禁止を通達した。
昭和33年11月だけでこれだけの事故があった。
また、狭い路地で遊んでいて車に輪を引っかけられて転倒したり、輪の結び目がほどけて跳ねて目に刺さるなどの事故も続出した。
なぜか千葉県内に多いように見えるが、腸捻転、胃穿孔、卵巣破裂などの誤診・誤報の可能性が高い。
フラフープと腸捻転の因果関係は現在もはっきりした確証はない。
かつて夢中で遊んだ大人も、その下の世代も、フラフープダイエットに励むのはいいが、
何事もやりすぎは禁物。
ほどほどにするのがいいのではないだろうか。
山口敏太郎
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