しばらくして気がつくと、タクシ−の中にいました。彼は車を捨てて、私を抱きかかえ,タクシ−を拾ったんです。その女のことを聞くと、「オレもハッキリ見た」と言いました。
 翌日、ゆっくり車を観察すると、あちこちに爪の跡がありました。
 この車には何かあると思った私達は、中古車センタ−の社長を問い詰めたんです。
 でも返ってきたのは、くだらないことに関わっているヒマはないといった横柄な態度。腹が立った私達は、車を置いて帰りました。
 その後、中古車センタ−の所長から電話があり、「売った値段で買い取ります」と言ってきました。
 その中古車センタ−は茨城県岩井市○△にあります。
 どうか、あの車のことを調べていただけませんでしょうか。あの幽霊の目が忘れられないんです。怨念がついているのなら、供養が必要なはず。一度関わってしまった以上、このままにしておくのが不安で・・・・・。


 私は太田香織さんに電話を入れた。ちょうど本書を執筆中だったので、もし調査の結果、幽霊につながる事実が出た場合は、題材として使わせてもらいたいと申し込んだ。すると彼女は、二つ返事で了承し、彼氏も協力してくれると言った。