また元のソープ街に逆戻り。 そして情報提供者の友だちが勤める店へ。
 彼女は自分の言ったことが認められた喜びからか、しごし御満悦。
 でも、「その霊がなぜ出てくるのか知ってますか?」と聞くと、「私が知るわけないじゃない」とあっさり。ガクッ!これじゃ、タクシーやディスコの幽霊と同じレベルだ。途方に暮れていると、彼女が、「私、霊を見たとき感じたの。無理やり子どもを堕ろされた悔しさみたいなものを・・・。私も何度か堕ろしたことあるから、その辛さがわかるのよね。でも、あの霊が抱いてる赤ちゃんって、堕ろせる時期の大きさじゃなかった。もうすぐ生まれるくらい大きかったと思うの。だから、あの霊は誰かに殺されていて、赤ちゃんだけは助けたいと思って出てくるんじゃないかしら」
 私は一念発起、過去にあった事件をすべて調べることにした。といっても「いつ、どこで、誰が、誰に、どんな」という基本データが何もなく、辞書でいえば「あ」の欄から順に検索していくようなもので、気の遠くなるような作業を強いられた。
 本社の人間を二人借りて、しつこく調べること一ヶ月。一度チェックした過去の新聞を再度見直している最中に、例の女性に関するものと思われる小さな記事を発見した!!