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歌舞伎町で買春をする男の告白

――なぜ「買う側」は表に出てこないのか

歌舞伎町では今も、立ちんぼをする女性が摘発される光景が繰り返されています。しかし、売春は女性だけでは成立しません。そこには必ず、金を払う「買う側」の男がいます。にもかかわらず、彼らが表に出ることはほとんどありません。

今回取材したのは、歌舞伎町で買春を続けてきた30代の会社員男性です。都内在住で、大手鉄道会社に勤める独身。ごく普通の社会人です。


歌舞伎町で買春を繰り返す男性(筆者撮影)

風俗より安いから買う

彼が歌舞伎町を選ぶ理由は明確でした。
「店を通さない分、条件は全部その場で決まる。自分が納得できなければ断れるし、成立すれば無駄がない」
仕事帰りに歌舞伎町を歩き、目が合った女性に声をかける。数分の交渉で決まることもあれば、合わずに立ち去ることもある。その一連の流れは、彼にとって“日常の延長”でした。

罪悪感はない。「捕まらないから」

買春への後ろめたさを尋ねると、彼ははっきり否定します。
「向こうはお金が欲しくてやっている。こちらは払っている。騙しているわけでもない。正直、罪悪感はないです」
それ以上に大きいのが、「処罰されない」という確信でした。
「周りで捕まった男を見たことがない。それが全てです」

首を絞められ、警察に突き返された夜

一度だけ、恐怖を感じた経験があります。交渉がこじれ、突然首を絞められました。
「本気で死ぬかと思いました」
警察に駆け込んだものの、被害届はすぐには受理されませんでした。
「最初は相手にされなかった。何時間も説明して、やっと受理された」
その不信感は、今も残っているといいます。


立ちんぼが並ぶホテル街(筆者撮影)

なぜ買う側は守られるのか

売春防止法は、売春行為そのものを処罰しません。取り締まりの中心は勧誘やあっせんであり、路上で立つ女性は摘発しやすい。一方、買う男性は匿名のまま、立証困難を理由に捜査の網から外れます。
結果として、「売る女だけが捕まり、買う男は無傷」という構図が固定化されています。

「この制度のままなら、買う側は減らないと思います」

立ちんぼの女性をいくら排除しても、処罰されない需要が存在する限り、歌舞伎町の夜は変わりません。

 

 

櫻麗
猫と紅茶があればご機嫌です

 

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