闇バイト経験者が語る闇バイトの内情

近年ニュースを賑わせる

闇バイト

一般人宅に押し入り家主や家族を脅し、もしくは店舗に押し入り金品を奪う強盗を行う彼ら

ニュースで報道される闇バイトは強盗が多いが、強盗以外にも特殊詐欺の受け子や車両窃盗、違法薬物の受け渡し役などバイトの内容は多岐に渡る。

全てに共通する点は「事件現場の実行犯」であり、犯罪行為のグループがあるとすれば「最も末端にいる人間」であるという点だ。

闇バイトとは犯罪を飯のタネにする人々にとっては使い捨ての駒、いわゆる犯罪専門タイミーさん（※単発アルバイト専門求人のアプリ、タイミーを使う人を指す呼称）である。

 

■闇バイトのほとんどは若年層が占めてる

闇バイトはSNS上で募集を行い、そこから人員を集め実行するのがセオリーであるが、そんないかにも怪しい求人に応募する理由というものが普通の感覚では理解できないだろう。普通の社会経験を積んできた人間であれば避けられる地雷である。

何故闇バイトを行う人間に１０～２０代の若年層が多いのかを考えてみると原因が見えてくる

・金がない

・インターネットでの求人募集が当たり前

・社会経験が乏しい

・SNSで他人と自分を比較して見てしまう

・対面でのコミュニケーションが少ない

彼らの持つ「何も持っていない」という状況が彼らを凶行に走らせる要因になっている。と考えられる。

 

■闇バイト経験者は本当のバイト感覚でこなす

「マジで普通のバイトだと思ってました。スマホにテレグラムとかを入れるように指示されて、バイトに関するやり取りは全部テレグラムでした。」

闇バイト経験者のOさんは大学進学で大阪に来た後、留年を繰り返し自主退学。その後派遣の仕事やウーバーイーツの配達人の仕事をこなしながら糊口をしのいでいた。

憂さ晴らしでパチンコを始めて更に生活は厳しくなったという。

SNS上で＃高収入＃求人で調べて出てきたアカウントに連絡を取ったそうだ。DMでのやりとりの後、秘匿性の高いメッセージアプリであるテレグラムとシグナルを入れるようにアカウントの主から指示があり以降は両アプリのどちらを使って連絡を取り合ったという。

 

■金に目がくらんだ先は

荷物配送の仕事と聞かされたOさん。テレグラムのメッセージには箇条書きで住所と名前、指定時間だけが送られてくる。どこそこのロッカーに入った荷物を情報の場所まで届けろと電話で指示を受ける。配送が終われば電話で連絡し、テレグラム上のメッセージはアカウントの主に削除される。

明らかに怪しいと思いながらも一回１万円で１時間もかからない割の良い仕事だと思って数か月間十数回ほどにわたって配送をしたという。

 

「何度か届けたことがある配送先に玄関先で荷物を受け渡した瞬間でした。警察の人４人に囲まれてそのまま捕まりました。」

違法薬物の譲渡の容疑で逮捕されたOさんは、結局は初犯ということもあり執行猶予付きの判決を受け無事にシャバへと戻ってくることが出来たが前科は当然ながら付くこととなった。

「自業自得だと思ってます。怪しいのは分かってましたけど、やっぱお金が欲しかったんで。だんだん（配送の闇バイトに）慣れてきてたのもあります。」

 

■犯罪において高度なテクノロジーは必須

テレグラムにはチャットルームのメッセージの消去機能や時限式のチャットルームの削除機能、スクリーンショットの自動黒塗りやチャットボックス内の不審な行為を通知する機能などがあり、テレグラムの運営会社もサーバーに保存されている情報を第三者に公開しないなど非常に秘匿性の高いメッセージアプリとして知られている。

実際フランスではテレグラムのCEOが捜査協力をしなかったということで逮捕されたが、あくまでツールを作っただけでありCEOに悪意はない。

近年の犯罪社会での金銭のやりとりは仮想通貨を使うのが主流となりつつある。データ上で高度に暗号化された仮想通貨は解析が困難で、無数に存在する違法行為のやり取りにうってつけということである。

 

■搾り取れるところは全て

「バイトを始める前に身分証と住民票、自分の顔の写真を送るように言われました。アカウントの人物に会えたのはその後でした。普通の見た目の男性でした。給料の支払いに必要というので預金通帳も持ってくるように言われて当日そのまま渡しました。」

犯罪者に渡ったOさんの情報や通帳は悪用されるだろう。

闇バイトという響きの軽いワードに安心感を覚え、踏み込んだが最後骨までしゃぶられてしまうのが悲しい末端「闇バイト」である。

 

ちなみにタイミーのアプリ内でも本物の闇バイトの募集がされているという…..