探偵ファイルの読者の皆様にご報告です。ご存知の方もいるかと思いますが、7月の参院選に、自民党の公認(全国比例)で立候補します。
なぜ立候補するのか
“出ない”と言っていたじゃないか、なぜテレビで批判している自民党から出るのか、と疑問の方も多いと思います。他ならぬ探偵ファイルですので本音で決心の理由を説明しますと、“しょーがないじゃん”の一言になります。
多発性骨髄腫を患っているのが発覚して2年が経ち、今は人生残り8年です。当初は、ハードワークに戻るよりゆったり過ごす方が良いと思っていました。
でも、今の政治の政策論議の体たらくに我慢ならなくなったんです。“失われた30年”から脱却して日本経済が復活できるかの岐路にある今、正しい経済政策が必要なのに、政治の議論は減税など国民負担の軽減ばかりです。物価高対策は必要なのは当然ですが、それだけでは日本経済は復活できません。
なら、評論家として外から文句を言っているだけでは変わらないので、政治の中に入って暴れて政策を正しい方向に変えようと思ったんです。
なぜ自民党から出るのか
次に、なぜ自民党から出るのか。私は小泉総理、菅総理の時代は官邸で働き、安倍総理にも小泉政権の頃から可愛がってもらいました。つまり、私は自民党政権に関わってきた人間なので、そりゃ当然です。かつ、政策に問題あったら政権を批判するのは当然なので、それが理由で自民党から出ないとはなりません。
かつ、私は野党の主張する経済政策は間違っていると考えています。(詳細については、6月24日発売の新著「ザイム真理教と霞ヶ関の真実」(宝島社)で説明しています。)だから、野党から出るなどあり得ません。
人生残り8年の命賭けてやります
もちろん、支持率の低さに象徴されるように、自民党と石破政権には問題がすごく多いと私自身も思っています。
最大の問題は、私が関わっていた政権の頃と比べ、党内で政策に関する喧々諤諤の議論が行われなくなったことです。霞ヶ関の官僚が作った政策がそのまま採用され、国民の声が政策に反映されず、国民が分かるように説明もしない。国民不在になってしまっているように感じます。
ならば、自分が自民党内で、テレビでやっていたのと同じやり方で騒いで暴れまくることで、自民党を立て直し、経済政策を正しくしようと決心したのです。
一年生議員には何も出来ないのでは、と思われるかもしれません。でも、そもそも私は普通の政治家になる気は全くありません。長く政治家やって出世したいなど思わないし(そもそも長くやれない)、テレビで鍛えられたお陰で騒いだり暴れる術は身につけています。
なので、大仰な言い方になって恐縮ですが、自民党の劇薬になって、人生残り8年の命を賭けて日本経済を再生するつもりです。私が尊敬する幕末の思想家、吉田松陰の言葉である
「かくすれば かくなるものと知りながら やむにやまれぬ大和魂」
が今の私の正直な心境なんです。とにかく頑張ります。

岸 博幸(きし ひろゆき)
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授、RIZIN(格闘技団体)アドバイザー。専門分野は経営戦略、メディア/コンテンツ・ビジネス論、経済政策。元経産官僚、元総務大臣秘書官。元内閣官房参与。趣味はMMA、DT、VOLBEAT、NYK。