●更新日 10/04●
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『緊急 エボラの脅威がすぐそこに』精神科医ヤブ





エボラウイルスの恐怖がすぐそこまで迫ってきた。


日本のマスコミがデング熱で大騒ぎをし、それに踊らされた人たちが「デング怖いねぇ」などと言っている間に、本当の全人類的な脅威であるエボラ出血熱がどんどん拡がっている。

そんな中、9月30日、ついにアメリカ国内でエボラ出血熱を発症した患者が初めて確認された。これまで、アメリカにエボラ出血熱の患者がいなかったわけではない。というのも、アフリカで発症して帰国後に治療を受けた人たちがいるからだ。今回重大なのは、アメリカ国内で発症したということである。


前回『デング狂想曲』で話題にした蚊を媒介とするデング出血熱は、あるタイプのデング熱に感染・回復した後、さらにまた別のタイプのデング熱に感染することで発症する。だから、日本のある地域でデング出血熱の患者が出たとしても、同じ地域に住む人たちが過度に恐れる必要はない。しかも、デング出血熱の死亡率は1%である。


一方のエボラ出血熱だとそうはいかない。このウイルスは、感染者の体液中に多量に含まれるが、その体液とは精液、血液、唾液といった「濃厚な接触」を必要とするものだけでなく、小さな傷、あるいは汗にも含まれる可能性が指摘されている。このエボラ出血熱の死亡率は良くても50%で、悪いと90%近くとなり、今のところ認可された治療法はない(現在、未認可の治療薬が緊急性を考慮して使用されているが効果や副作用のデータは乏しい)。そしてこの恐ろしいエボラ出血熱の潜伏期は3〜16日である。


さて、アメリカで発症した患者は、9月19日にリベリアを出国して20日にアメリカに到着し、それから5日ほどで発症している。発症までに数人と接触があったようで、そちらは現在アメリカ疾病対策センターが調査中である。もし、この数人のうち1人でも感染していれば、今度はその1人が接触した人が数人いることになる。まるで放射状に拡がるドミノ倒しである。限られた人数しかいない調査チームが追いついて食い止められれば良いが、感染者が1人でも見逃されたら世界規模での大流行が起こる可能性は大いにある。


デング熱やセアカゴケグモを大げさに取り上げて脅してくるマスコミに踊らされているうちに、気がつけばあなたの後ろまでドミノ倒しが来ているかもしれないのだ。


われわれ国民は、本当の脅威に対して、もっとしっかりアンテナを張ろう。



ヤブ ヤブ


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