私は翌日、役場に出向いた。
 やはり、本多家は滅びてなかった。転出しただけだ。
 静岡に移り住み、小作人として大地主の元で働いていたという噂もはいってきた。
 市役所でウラをとると、マンションで殺された本多啓子は、喜助の血を受け継いでいる
ことが判明した。
 私は、やっと、あのマンションで女の霊が「良介・・殺す・・殺す・・」
と訴えた理由がわかった。